2005 Fiscal Year Annual Research Report
痴呆性高齢者の生活における既存地域環境資源の活用に関する研究
Project/Area Number |
15560529
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小滝 一正 横浜国立大学, 名誉教授 (00018045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大原 一興 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10194268)
藤岡 泰寛 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 講師 (80322098)
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Keywords | 認知症高齢者 / 外出行動 / グループホーム / 地域交流 / 買い物 / 商店街 |
Research Abstract |
本年度は研究のまとめとして、グループホームや特別養護老人ホームが構築する地域との関係について、新たな取り組み事例などに着目して考察した。とくに地域環境において、入居者が施設内では味わえない生活としてどのような経験をしているか、について事例調査をおこなった。本年度に取り組む新たな研究課題として、1.地域資源としての商店街の活用のあり方の考察 2.地域の施設との相互浸透のあり方の考察を当初、設定している。 これらの課題に対して、現在建設中の地域密着型小規模多機能施設の事例において、周辺住民と一緒にワークショップを実施し、地域にとって必要な機能を明らかにすると共に、地域住民が新設される施設を受け入れるための精神的な基盤を作った。このワークショップにおいて、地元商店街や地域資源と施設との関連づけを検討した。このような実際の計画事例から、計画のプロセスとして広く住民が参加することの意義が指摘できた。 また、都市部の特別養護老人ホームの敷地の外部の商店において、入居者が一時的に休息、喫茶、食事を行う場所を開設するプロジェクトを支援することとなり、その具体的事例検討の経過から地域と施設との相互浸透に関する研究を進めた。施設入居者が外部のリビングとしての居場所を必要としていることを明らかにし、この場の実現によって、施設生活には見られない個々人の生活展開が獲得できることを示した。また、このような場の存在によって地域の高齢者とその介助者のネットワーク、また施設職員のネットワークなど、多様なコミュニケーションが展開することも実例として示すことができた。 これらのきわめて先進的な事例の考察を含め、総合的に3年間の研究を振り返り、報告としてまとめた。
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