2003 Fiscal Year Annual Research Report
「安心して死ねる」暮らし・まちづくりに向けたコミュニティ形成に関する研究
Project/Area Number |
15560543
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
倉原 宗孝 北海道工業大学, 工学部, 助教授 (70244837)
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Keywords | 死 / コミュニティ / まちづくり / 暮らし / 葬儀 / 住環境 / 住民 / 生活者 |
Research Abstract |
当初設定している2つのアプローチから作業を進めている。一つは、各種情報の収集・整理・分析。まず各出版物・資料・インターネット等を通じて「死」「コミュニティ」等をキーテーマに幅広く情報を収集した。各分野の枠組み設定とその中でのポイント、概念・方法論等を整理しつつある。また全国典型事例の観察・ヒヤリング(5件)、道内事例へのヒヤリング(12件)を行う中で、死をキーワードにしつつコミュニティ・暮らしについて情報・アドバイス等を集めている。いずれも死に直接言及するのは難しい面があったが、一方、どんな死に方がしたいか、どこで死にたいか、その為にどんな暮らしがしたいか・できるか等について貴重な情報が収集された。これらをもとにアンケート調査に向かう予定であり、現在、NPO・各種団体など対象設定を行っている(アンケートは本年度遂行も考えられたが、本研究が追加採用で時期的にかなり遅くなったこと、また質問方法を吟味する必要もあり上記調査も受け次年度実施予定)。 一方のアプローチは具体のモデル構築と検証。研究者自身が具体のモデルに直接参画しつつ一連の取り組みの観察と評価を進めている。対象事例は「高齢者下宿・菜の花」(帯広市)と「高齢者こんびに・ばじる」(北海道美幌町)である。「菜の花」については高齢者住居が開設してから約2年が経過し主に住まいの点から、また「ばじる」の場合は地域に開かれたサロンといった点から、豊かなコミュニティの意義と実態を創造しつつある。次年度は「菜の花」の関係者を中心にお葬式ワークショップの実施を予定しており、その為の関係者との意見交換等も進めてきている。なお「のっぽろまち育て」(江別市)も対象予定にしており随時参画調査を進めているが、現在、活動内に再開発事業などの新しい課題が生まれており状況を見守りつつ参与観察を継続している状況である。
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