2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560545
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
高橋 儀平 東洋大学, 工学部, 教授 (60058162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 弘義 東洋大学, 工学部, 講師 (10058141)
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Keywords | 聴覚障害者 / 文字・音声情報 / バリアフリー / ろう学校 / 聴覚障害者情報提供施設 / コミュニケーション手段 / 光走行式避難誘導システム / 磁気ループ |
Research Abstract |
本研究は、これまでの社会環境のバリアフリー化整備の中で最も遅れていた一つである聴覚障害者の生活環境、施設環境改善を目的に聴覚障害者の抱えている潜在的ニーズを掘り起こし、生活面で生じている具体的な情報環境バリアを捉え、それらの情報環境バリアを聴覚障害児・者がどのような経験を経て認知しているか、またそれらバリアの要因を解析し、聴覚障害者の情報入手及び情報提供ニーズに適応した環境改善、施設整備の方法について具体的知見を得ることを目的としている。 本研究は平成15年度、16年度の2カ年間の研究予定であり、本年度は聴覚障害と環境問題に関わる基礎的な文献研究、ろう学校における児童、生徒の教育環境、教育方法及び聴覚障害者情報提供施設の現状把握を主として行った。ろう学校施設ではほぼ全国的に磁気ループの敷設やTVモニターを活用した文字情報の利用が把握されたが、聴覚障害児の障害レベルは多様であり、補聴器のみの組み合わせがどの程度うまくいっているかについて、聴覚障害児童・生徒のバリア認知プロセス調査と併せて次年度に実験を行う予定である。 聴覚障害教育面では、多様なレベルに対応した個別教育が求められていることが理解される。小、中等部の授業では学力を教授するためのコミュニケーションの理解が最大課題となっており、環境設備面での限界が見られる。 聴覚障害者情報提供施設では日常的には設備に依存する傾向は少ない、緊急時の情報提供については極めて関心が強い。京都市の聴覚言語障害者センターでは、光走行式避難誘導システムを各階に導入し、このシステムを利用した避難訓練を実施している。このシステムは実は聴障者のみならず、すべての利用者に有効であるとの感触を得た。 以上の他、本年度は鉄道駅等における文字・視覚情報提供に関する資料調査を行った。次年度は施設用途としては複数の用途について、音情報の入手実験を行う予定である。
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