2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560549
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
横山 勉 福井工業大学, 工学部, 助教授 (00230665)
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Keywords | 幼児の遊び / 保育園園庭 / 遊び環境 |
Research Abstract |
自然と触れ合いながら遊ぶ機会が少なくなった今日において、幼児が1日の大半を過ごす幼児施設の遊び空間の拡がりをもつ園庭は、自然と向き合いながら生きるための力を育てる貴重な場と考えられる。園庭は地形、規模、形態、素材など環境構成要素により様々な特徴を示しており、今年度は築山を中心とした中庭形式、砂地形式、グラウンド形式をもつ保育園を対象施設として調査を行った。園庭における遊び分布経時変化、幼児個人の遊び軌跡を視点として主に観察調査を行い、幼児が主体的、創意工夫のある多様な遊びを展開するための遊び環境の基礎資料を収集した。その調査結果より、次のことが明かとなった。1.保育園の遊びの環境構成要素の違いはあるが、1〜2ケ所の遊びの拠点で長時間滞在しながら遊ぶ幼児が多く、その前後の短時間滞在の遊びの拠点を移動しながら連続的に遊びを展開している。幼児自ら構築した遊びの拠点では長時間遊びを継続する傾向がみられる。2.長時間滞在する遊び環境には同一遊びを継続しながらその合間に別の遊び空間を行き来する行動形態と同一遊び空間で多様な遊びを連続展開する行動形態が多くみられる。3.移動しながら短時間滞在の遊び展開は、移動距離・時間が長くなる傾向がみられ、次の遊び空間を見い出しつつ移動しているとうかがえる。4.比較的広い園庭では滞在しながら遊ぶ拠点は園庭周縁部に発生する傾向があり、その他の園庭では既存の遊びの拠点と新たに構築された拠点が随所に併存している。5.新雪による遊び空間は雪のない期間の遊びの拠点を手がかりとした遊び空間と雪により新たに構築された遊び空間が融合され、そこでは多様な遊びが創出されている。
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