2005 Fiscal Year Annual Research Report
特別養護老人ホームの居室形式が入居者の生活行為と職員の介護量に及ぼす影響
Project/Area Number |
15560551
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
松本 正富 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 講師 (20341159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 芳徳 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 助教授 (40330641)
武田 則昭 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (40274279)
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Keywords | 特別養護老人ホーム / 体動活動数 / アクティグラフ / 環境移行 / 生活展開 |
Research Abstract |
本研究は特別養護老人ホームの建替えに際して,「従来型多床室」から「ユニット型全室個室」の小規模処遇への環境移行に伴う,入居者の生活展開の変化(場所・行為・姿勢等の非参与による行動観察)と,入居者・施設職員双方の体動活動量の変化を調査し,日常行為の順応の過程を時系列的に比較検討し,施設更新によるユニットケア化に関する建築計画的な基礎資料を得ることを目的とした。 本年度は,最終年度として研究全体の取りまとめの一環として,複数の高齢者施設を比較しながら入居者の日常生活能力を包括的に捉える方法を検討し,施設内の日常の居場所や空間利用との関連についての分析を行なった。 1.入居者の生活能力を簡易に示すため,行為・排泄・移動・立位・入浴・食事の6つの評価項目からの統合的な指標を求め,生活展開の観察回数等の相関を確認した。 2.従来型の施設においても,居室の身近に設えたリビング的な空間は,デイルームの利用がしにくい介護指標の高い入居者の滞在場所として有効に機能していた。さらに,中度〜低い側の入居者にとっても日常の滞在場所の選択肢を増やすという効果が観察された。 3.介護指標の高い入居者は,滞在場所の移動をスタッフに委ねるが,そのほとんどがケアの方針に関わる食事の際の場所移動に過ぎない結果であった。 4.施設形態により差はあるものの,介護指標の低い入居者は食後に一旦居室に戻り,その後徐々にデイルーム等の共用空間へ出て行くという移動の傾向が見られ,特に食事に絡んで公・私の領域を選択的に使い分ける傾向が確認された。
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Research Products
(7 results)