2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560576
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
鹿又 武 東北学院大学, 工学部, 教授 (60048816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菜島 理 東北学院大学, 工学部, 講師 (00265183)
小山 佳一 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (70302205)
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Keywords | 強磁性形状記憶合金 / マルテンサイト変態 / 遷移金属化合物 / 磁場誘起相転移 / 構造相転移 / 強磁場下X線回折 / 強磁性体 / キュリー温度 |
Research Abstract |
室温で斜方晶NiTiSi型の結晶構造を持つ3元金属間化合物MnCoGeは340Kにキュリー温度(Tc)を持つ強磁性体であるが、温度を上昇させると6方晶Ni_2In型構造に相転移を起こす。研究代表者等はこの構造相転移が無拡散型熱弾性マルテンサイト変態であることを以前に明らかにした。更に研究代表者等はMnCoGoのCoサイトに一部空孔を注入した化合物MnCo_<1-x>Ge(x〓0.08)では、Tcとマルテンサイト変態温度T_Mが逆転し、MnCo_<1-x>Ge化合物が強磁性形状記憶物質になる可能性を指摘してきた。 今年度は上記化合物においてCoサイトの空孔濃度xを0.08に固定したMn_<1+δ>CO_<0.92>Geの結晶学的、磁気的特性を詳細に調べ以下の様な新たな知見を得た。 1、3元化合物Mn_<1+δ>CO_<0.92>Geにおいて、δ≦0.09の組成領域の試料は強磁性状態で形状記憶効果を持つことを明らかにした。特にMn組成δの増加に伴ない、マルテンサイト変態温度が室温に接近することが分かった。 2、上記化合物の精密磁化測定を行い、マルテンサイト相の磁気モーメントがオーステナイト相の磁気モーメントに比べ非常に大きいことを明らかにした。例をあげればMn_<1.07>CO_<0.92>Geのマルテンサイト相の磁気モーメントは約20%オーステナイト相の磁気モーメントより大きい。 3、Mn_<1.07>CO_<0.92>Geの強磁場中X線回折実験を行ない、マルテンサイト変態温度直上で磁場誘起マルテンサイト変態を観測した。 平成16年度は磁場制御可能な形状記憶合金の探索をMn-Co-Ge系以外の物質群に拡大する。更に平成15年度の実験成果を基にしてこれら化合物のマルテンサイト変態機構を理論的に解明する予定である。
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Research Products
(1 results)