2004 Fiscal Year Annual Research Report
高配向性カーボンナノチューブ膜の作製と高効率エミッターへの応用・実用化
Project/Area Number |
15560585
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
松本 晃一 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (10022138)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 十六夫 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (40010938)
村上 健司 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (30182091)
|
Keywords | カーボンナノチューブ / カーボン / ナノチューブ / 炭化ケイ素 / SiC / 表面 / エリプソメトリ |
Research Abstract |
SiCの表面分解法によるカーボンナノチューブ(CNT)膜の生成初期過程を調べるために,SiC単結晶基板(6H型,C面研磨)の真空中加熱実験を,スポット集光型赤外線ゴールドイメージ炉とターボ分子ポンプとを用いておこない,表面の構造変化を分光エリプソメトリ測定によって調査した. 加熱温度1100℃までのスペクトル変化は,SiC基板上のSiO_2層(〜4nm)の厚さが減少することで説明できた.しかし1150℃以上では,スペクトルはそれまでのものとははっきりと異なり,X%のvoidをもつグラファイトからなる表面層があるとする3層モデルで説明できた.すなわち,表面層の厚さt=10〜50nmで,X=50〜70%であった.このことは,SiCの表面分解がこの温度ですでに開始していることを示している。従来の高分解能TEMによる表面観察では,SiCの分解とCNTの生成とが観察されるのは1300〜1500℃以上の温度であるので,分光エリプソメトリによる光学的測定では,それよりも低い温度での分解開始のさいのわずかな変化をも捉えうることがわかった. 1300℃で長時間(80〜640min)の加熱では,スペクトルはそれまでのものとさらにはっきり異なり,異なる割合のvoidを含む2層の表面層をもった4層モデルで説明できた.すなわち,表面層の厚さt_1=20〜50nm, t_2=30〜70nmで,voidの割合X_1=〜90%,X_2=〜50%であった.このことは,この温度でCNTの生成が始まる(t_2の層がそれに相当する)ことを示唆しており,FE-SEMの観察によってもそれを検出した. さらに,camphorを用いた熱CVD法によるCNT膜の作製を試み,触媒としてferroceneを用いることによってCNTが成長することを確認した.
|
Research Products
(2 results)