2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560595
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
森川 淳子 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20262298)
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Keywords | 熱拡散率 / 熱伝導率 / 複合材料 / ミクロ界面 / 温度波熱分析法 / 赤外線画像 |
Research Abstract |
複合材料における界面の制御は、諸物性(力学、電気、熱等)の異方性発現に極めて重要である。筆者は、高分子複合材料の熱伝導の異方性と熱的界面に着目し、温度波を用いたミクロ界面の熱伝導性の測定にもとづき、力学場、電場、磁場による熱伝導超異方性材料の設計、開発の指針を得るとともに、ミクロスケールの界面の秩序性と熱伝導異方性との相関を明確にすることを目的とした。 初年度は、外場印可のもとに界面の熱伝達を制御して,高熱伝導性を付与する方法論の構築の一環として、I)熱伝導異方性材料の作成を、力学的配向場(100倍ゲル延伸)、高電場(1kV/Cm)下、高磁場下において行い、分子配向、分極配向、磁場配向と熱拡散率の間に相関が認められることを温度波熱分析法により、明らかにした。これは、分子の広がりと分子間相互作用を結晶構造以外の秩序性を三次元的に制御することで熱物性を向上させた例となった。 今年度は、これらの外場により秩序性を付与された複合材料のミクロ界面におけるエネルギー授受の異方性を、2次元位相画像として定量化する方法を確立し、さらに温度波法と組み合わせることにより、3次元的な熱物性分布として得る方法を開発した。また、新規な赤外線光学系レンズの開発と組み合わせて、高空間分解能の熱的界面の位相画像を得ることに成功した。この方法により、複合材料内の種々の熱的界面の定量化を行い、バルクの熱物性値のみでなく、界面の粗さや熱的反射、インピーダンスの問題が熱的界面の設計に重要であることを明らかにした。 さらに、外場による3次元的な新しい構造秩序を導入する場合には、材料の1次元2次元的な秩序性の有無がその発現に寄与することを、極性基を持つ高分子の例で示した。 これらの過程で、ミクロスケールでの界面熱伝達の分布あるいは異方性の、全体に対する寄与の重要性を明らかにした。
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Research Products
(7 results)