2004 Fiscal Year Annual Research Report
導電性ソフトマテリアルによるバイオミメティック輸送システムの開発
Project/Area Number |
15560603
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山内 健 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (90262477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
タンスリヤボン スリヨン 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (00322107)
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Keywords | 導電性ソフトマテリアル / バイオミメティクス / 刺激応答性高分子ゲル / 導電性高分子 / ポリピロール / 傾斜材料 / 二次元輸送システム |
Research Abstract |
本研究では、電気刺激に応答して変形する導電性ソフトマテリアルを作製して、棘皮動物(ヒトデ類)の物質運搬を模倣した新規な二次元物質輸送システムの開発を目的としている。本年度は以下の2点について重点的に検討した。 1.導電部位を傾斜化した導電性ソフトマテリアルの作製 導電性ソフトマテリアル中の導電部位を傾斜配向させる技術を確立して、一定の外部刺激を与えたときに多彩な運動を行える傾斜材料の創製を検討した。ラジカル重合により重合温度60℃、重合時間24hでPAMPSゲルを作製して蒸留水中で膨潤させた後、その一部を1Mピロール水溶液に浸漬させ、傾斜材料の作製を行うことで導電性部位を傾斜化できることを見出した。 2.傾斜化複合材料の電気的特性の検討 傾斜化ソフトマテリアルの電気的特性の評価は材料中のポリピロール含有率と導電率の関係を中心に評価を行った。乾燥状態では電子伝導が支配的で、複合材料中のポリピロール含有量とともに導電率が約300〜600倍導電率が向上した。膨潤状態ではスルホ基および水溶媒によるイオン伝導が支配的であることも明らかとなった。 3.二次元物質輸送システムの開発 これまで開発した様々な導電性ソフトマテリアルを電解質溶液中に複数配列して、電場刺激による共同的運動を動画像解析処理装置により評価した。均一に電場を印加できる領域において電圧を印加したところ、すべての素子が陽極方向に共同的屈曲運動を行い、電極を反転させることで繰り返し振り子運動を行った。この運動速度は電場の大きさに依存しており、電場のON-OFFならびに電場の大きさを制御することで複雑な屈曲運動をデザインできることがわかった。以上のことより、ヒトデの動作を模倣した二次元物質輸送システムの構築が可能であることが明らかとなった。
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