2003 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ組識制御によるCu-Cr-Zr合金の電気的・機械的機能複合化の基礎研究
Project/Area Number |
15560604
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北川 和夫 金沢大学, 工学部, 教授 (30019757)
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Keywords | ナノ結晶粒 / ECAP法 / Cu-Cr-Zr合金 / 機械的特性 / 電気的特性 / 機能複合化 / 熱的安定性 |
Research Abstract |
Cu合金には、引張り強度や疲労強度と同時に、高温での熱的安定性を必要とする場合や、導電率特性などとの複合した機能を求められることが多い。そこで本研究は、電気的および機械的特性共に優れたCu合金の開発を目的としたものである。 本年度はCu-Cr合金をベースに、組織安定化のために少量のZr含む合金をECAP(Equal Channel Angular Pressing)法によりナノ結晶粒化して、その後時効処理したナノ結晶粒Cu合金について、機械的および電気的特性を評価検討したものである。 実験に供した素材は、Cu-0.36Cr、Cu-0.44Cr-0.21Zr、Cu-0.8Cr-0.05Zrである。ここでは具体的にECAP法によりナノ結晶粒化したCu-0.44Cr-0.21Zr合金の結果について述べる。 1)ECAP加工によって平均結晶粒径が約300nmで,ほぼ等軸状の結晶粒を得ることができた. 2)500℃-1時間の時効処理により、Hv225の硬さを得ることができた. 3)このときの導電率は77%IACSであった。 4)高サイクル疲労試験により得た疲労限は285MPaであった。 以上の結果から、ECAP加工したCu-Cr-Zr合金は、その後の時効処理によって微結晶粒組織は熱的に安定化することがわかった。さらに最適時効条件で熱処理することにより、高サイクル疲労特性、導電率、静的強度の優れた合金を得ることができた。特に、市販のCu-Cr-Zr合金に比べると、引張り特性および高サイクル疲労特性は著しく改善されることなどが明らかになった。
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Research Products
(1 results)