2003 Fiscal Year Annual Research Report
新固体電解質・新電極材料を用いた低温作動固体酸化物型燃料電池の開発
Project/Area Number |
15560611
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
橋本 拓也 日本大学, 文理学部, 助教授 (20212136)
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Keywords | 燃料電池材料 / 結晶構造 / 構造相転移 / 電気伝導 / 熱膨張特性 / イオン伝導体 / 電極材料 / 過電圧 |
Research Abstract |
固体電解質としてCe_<1-x>M_xO_<2-δ>(M=Gd,Sm,Y)、Ba_2In_2O_5、La_<1-x>Sr_xGa_<1-y>Mg_yO_<3-δ>、空気極材料としてLa_<0.6>Sr_<0.4>Co_<1-y>Ga_yO_<3-δ>の結晶構造、電気伝導、熱膨張特性などの基本的な性質をまとめた。またLa_<1-x>Sr_xGa_<1-y>Mg_yO_<3-δ>とLa_<0.6>Sr_<0.4>Co_<1-y>Ga_yO_<3-δ>を用いたハーフセルを試作し、電極、固体電解質界面の電気的性質を評価した。 Ce_<1-x>M_xO_<2-δ>(M=Gd,Sm,Y)については700℃以上の強還元条件では還元膨張が起こること、また本膨張は酸素欠損発生が原因であり、欠損濃度の大小で相が変化することを明らかにした。還元膨張および欠損発生による電子伝導発現を抑制するためには600℃以下での使用が望ましいことを明らかにした。Ba_2In_2O_5については1070℃以上の酸素欠損ペロブスカイト構造をとる相が最も酸化物イオン伝導が高く、活性化エネルギーが低いことを明らかにし、本相の低温安定化にはInサイトのGa部分置換が有効であることを明らかにした。La_<1-x>Sr_xGa_<1-y>Mg_yO_<3-δ>についてはSr置換およびMg置換に伴う結晶構造の変化および構造相転移挙動の変化を初めて確定し、SrとMg同時置換すると室温〜900℃まで構造相転移がなく、安定性に優れた固体電解質となることを明らかにした。空気極材料であるLa_<0.6>Sr_<0.4>Co_<1-y>Ga_yO_<3-δ>についてはGa置換量0.0〜0.4まで作製可能であり、La_<0.6>Sr_<0.4>CoO_<3-δ>系で問題となっている非常に大きい熱膨張がGaの部分置換により電気伝導を低下せずに抑制可能であることを明らかにした。 ハーフセルの特性を測定したところ700℃で過電圧が小さいことが観測され、本系が低温作動型固体酸化物型燃料電池として高いポテンシャルを持つことを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Wang et al.: "Structural Analysis of Ce_<1-x>MxO_<2-0.5x-δ> (M=Gd,Sm,Y) by High Temperature XRD under Various Oxygen Partial Pressures"Journal of the Electrochemical Society. 151・2. E46-E50 (2004)
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[Publications] S.Wang et al.: "Expansion Behavior of Ce_<1-y>Gd_yO_<2.0-0.5y-δ> under Various Oxygen Partial Pressures Evaluated by HTXRD"Journal of the Electrochemical Society. 150・7. A952-A958 (2003)
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[Publications] M.Yoshinaga et al.: "The electrical conductivity and structural phase transitions of cation-substituted Ba_2In_2O_5"Solid State Ionics. in press. (2004)