2004 Fiscal Year Annual Research Report
新固体電解質・新電極材料を用いた低温作動固体酸化物型燃料電池の開発
Project/Area Number |
15560611
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
橋本 拓也 日本大学, 文理学部, 助教授 (20212136)
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Keywords | 燃料電池材料 / 固体電解質 / 電極材料 / 欠陥構造 / イオン伝導体 / 還元膨張 / 化学的安定性 |
Research Abstract |
固体電解質としてBa_2In_2O_5、La_<1-x>Sr_xGa_<1-y>Mg_yO_<3-δ>、空気極材料としてLa_<0.6>Sr_<0.4>Co_<1-y>Ga_yO_<3-δ>、インターコネクター材料としてLa_<1-x>Ca_xCrO_<3-δ>の主に燃料ガス中での安定性および電気的性質を調査し、固体酸化物型燃料電池材料としての可能性を評価した。 Ba_2In_2O_5については1070℃以上の結晶構造対称性の高い相は、酸素分圧10^<-4>気圧程度の窒素ガス中では高い安定性および酸化物イオン伝導を示すが、燃料ガス中、酸素分圧10^<-17>気圧程度では分解し、電解質としては不適であることが解った。La_<1-x>Sr_xGa_<1-y>Mg_yO_<3-δ>は酸素分圧10^0〜10^<-22>気圧の範囲で高い安定性および酸化物イオン伝導を示し、低温作動型固体酸化物型燃料電池の電解質として適していることが判明した。またGaサイトに10%以下のAlを部分置換することで熱力学的な安定性が向上し、問題となっている構造相転移が室温〜700℃の範囲で消失することを明らかにした。 La_<0.6>Sr_<0.4>Co_<1-y>Ga_yO_<3-δ>は空気極の環境である10^0〜10^<-4>気圧で高い安定性、電気伝導を示すことを観測した。固体電解質としてLa_<1-x>Sr_xGa_<1-y>Mg_yO_<3-δ>、空気極としてLa_<0.6>Sr_<0.4>Co_<1-y>Ga_yO_<3-δ>、燃料極としてNiを用いてテストゼルを作製し特性を調査したところ、600℃で作動することを明らかにした。 インターコネクター材料としてはLa_<1-x>Ca_xCrO_<3-δ>が有望視されているが、本物質は700℃以上・酸素分圧10^<-17>気圧以下で還元膨張および電子伝導の低下を示すこと、本還元膨張の原因は酸化物イオン欠陥であること、およびその熱力学的な挙動を明らかにした。今後の課題は酸化物イオン欠陥発生防止のために600℃以下での電子伝導率を向上させることである。
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Research Products
(3 results)