2003 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウム材の耐食性を向上させるための選択溶解と表面処理技術の開発
Project/Area Number |
15560615
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
世利 修美 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (60179356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
境 昌宏 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (20301963)
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Keywords | アルミニウム / 金属間化合物 / 選択除去 / 前処理 / 耐食性 / 下地処理 / 電気化学 / 超音波 |
Research Abstract |
1.選択溶解処理に及ぼす液温の効果を調べた.20%HNO_3水溶液中に試験片1100を浸漬し,超音波装置で水溶液を周波数100kHzで600s間行い,室温と333Kの差異を観察した.液温333Kの表面では金属間化合物除去跡の凹部の角が丸くなっているのが観察された.また小さい金属間化合物がマトリックス下地から新しく出てきている個所があり,マトリックスの過剰溶解が起こっていたことを示唆している. 2.処理時間の効果を調べた.室温の20%HNO_3水溶液中に試験片1100を浸漬し,超音波100kHzを60sおよび600s間作用させ,その後の表面を観察した.60sと600s共に表面には金属間化合物はほとんど見られない.処理時間の効果は室温の場合60sでも良好であることが分かった. 3.本処理の最適条件を試行錯誤的に調べた.具体的には超音波周波数,液温,浸漬時間を振り,それらの表面を観察した.周波数は単独より3波混在の方が良好であった.室温下で3波(28kHz,45kHz,100kHz)混在させた状態下で20s,60s,99s間CTNA処理を施した表面にはどれも金属間化合物は除去されているが,もっとも良好な組み合わせは室温+3波(28kHz,45kHz,100kHz)混在+99sであった. 4.本処理を施した1100表面には必然的に凹部がある.この表面に無電解Ni-Pめっきを施し,従来の処理方法(金属間化合物が表面に存在する1100に無電解Ni-Pめっきを施す)と比較し,その表面を観察した.金属間化合物の有無だけの差である場合は最終表面形態に関しあまり差は認められない. 5.本年度はアルミニウム材の耐食性を向上させるため、本処理法に適しためっき処理や塗装技術を開発する予定である.
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