2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560617
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
康 燕生 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80252716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 亮 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50177664)
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Keywords | マイクロ粒子 / 瞬間焼結 / 熱電材料 / 機能材料 |
Research Abstract |
本研究課題は機能性マイクロ粒子配列体に極短い時間の通電を施し,粒子間の放電によって瞬間焼結を実現し,配列焼結体の機能開発を目指す内容である。今年度では,優れた熱電特性をもつ低温用熱電単分散粒子配列体の接合熱環境と焼結体特性への影響について研究を行った。材料系としては熱電マイクロデバイスへの応用に注目されているBi-Sb熱電材料系を用いた。今まで,このBi-Sb系単分散粒子配列体の接合には、瞬間放電焼結法によって作製が可能であることが実証されているが、粒子の配列と焼結に用いる治具の熱と電気伝導特性の配列焼結体への影響について未知なことが多かった。そこで,今年度では瞬間放電焼結の際に用いる治具の加工性と熱特性を考慮し,特性の異なる治具を用いて粒子配列体を作製し,配列焼結体の組織および熱電特性への影響について比較検討した。粒子配列しやすく、XY方向微調整可能な固定具および樹脂、黒鉛、BNの3種類の治具を用いてBi-12at%Sb単分散粒子の配列体焼結体を作製した。配列焼結体をSEMにより観察し,熔融部の組織を比較した。さらに、熱電特性を評価するために金蒸着および配線付けによって電極を付与し,トランスポート測定装置を用いて種々の熱電特性を評価した。 評価の結果から分ったことは,樹脂、黒鉛、BNの3種類の治具それぞれにおいて焼結された試料では,黒鉛治具で作製した試料は接合部の熱影響による均一組織が他に比べ少なく、熱電特性でも低めの値を示した。また,接合強度と合わせて考えると,室温での放電焼結接合では樹脂とBNが治具には適している。バルク状Bi-Sb標準試料に比べ,配列接合後の比抵抗が高く,移動度が低めとなったが,熱電材料として使用可能な領域に分布している。以上から,治具の使い分けは熱電マイクロ粒子配列焼結体のデバイス化への重要な要素であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)