2005 Fiscal Year Annual Research Report
水熱ホットプレス法による熱電変換材料の作製と物性の測定
Project/Area Number |
15560625
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
勝山 茂 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00224478)
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Keywords | ゼーベック係数 / 電気抵抗率 / 熱伝導率 / クエン酸錯体 / 性能指数 / 水熱ホットプレス |
Research Abstract |
近年、エネルギー・環境問題への関心の高揚と相まって、熱と電気を相互に直接変換できる熱電変換材料が注目されている。本研究は、粒子間結合が堅固な固化成形体を作製するのに有効な水熱ホットプレス法を熱電変換材料の作製に適用し、その熱電特性の評価を行うことを目的としている。本年度は、主として層状酸化物であるCa_3Co_4O_9についての検討を行った。この化合物は、CoとOによって構成されている層と、CaとOによって構成されている層がc軸方向に沿って交互に並ぶ層状構造を持っており、そのためab面内において電気伝導性および熱伝導性が良いという物性異方性を示す。従って結晶粒の形態制御および配向性制御が重要である。本研究では、金属のクエン酸キレート錯体の大気中における分解によって粉末を作製するクエン酸錯体法によって原料粉末を作製した。得られた粉末はab面方向に広がった扁平な形状をしていた。この粉末を水熱ホットプレス用のダイスに詰め、種々の条件(添加水分量:0〜30wt.%、圧力:50〜200MPa、保持時間:1〜3時間、保持温度:473〜573K)により水熱ホットプレス処理して固化成形し、その後大気中にて焼結させたところ、一般に水熱ホットプレス時における圧力、保持温度が上昇するにつれて焼結体の密度は大きくなり、電気抵抗率は減少、熱伝導率は増加した。ゼーベック係数はほとんど変化しなかった。結果として、添加水分量10wt.%、圧力200MPa、保持時間3時間、保持温度573Kにおいて最大の無次元性能指数ZT=0.282(1073K)が得られた。この値は、水熱ホットプレス処理をせずに常温で粉末を加圧固化成形した試料の値を約46%上回った。
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Research Products
(2 results)