2003 Fiscal Year Annual Research Report
世界の宇宙開発に貢献できる日本独自の宇宙GHTA溶接技術の開発
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15560634
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Research Institution | Takamatsu National College of Technology |
Principal Investigator |
吹田 義一 高松工業高等専門学校, 制御情報工学科, 教授 (20044050)
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Keywords | 宇宙溶接 / 宇宙GHTA溶接 / GHTA溶接 / 宇宙ステーション / アルミニウム合金 / アーク放電 / 溶接現象 / アーク起動 |
Research Abstract |
平成15年度の研究実施計画は,下記の1)〜3)である。下記のように,科学研究費補助金(基盤研究(C)(2))交付申請書の通りに研究を実施して,予想以上の研究成果を挙げることができた。 1)直流高電圧アーク起動方式による宇宙ステーション軌道圧力でのアーク起動現象 従来の高周波高電圧アーク起動方式は宇宙ステーション搭載機器に電磁ノイズ障害を与える危険性があるために宇宙ステーション周辺では適用できない。そこで,直流高電圧アーク起動装置を試作して,宇宙ステーション軌道圧力10^<-5>Paでアルミニウム合金を供試母材にしたアーク起動実験を行った。その結果,直流高電圧アーク起動装置によって安全にアーク起動が可能なことを実証するとともにアーク起動現象の特徴および点弧率(アーク放電移行回数/起動回数)に及ぼすアーク起動条件の影響を明らかにした。(日本航空宇宙学会論文集,52・600(2004),p10-15) 2)接触アーク起動方式による宇宙ステーション軌道圧力でのアーク起動現象 電磁ノイズ障害を与えないもう一つのアーク起動方式を検討するために,実験計画に従って超高真空GHTA溶接実験システムを中空タングステン電極と母材に接触させてアーク起動を行う接触アーク起動方式に改造した。平成16年度は接触起動アーク溶接機を購入して起動実験を実施する計画である。そして,宇宙ステーション軌道圧力10^<-5>Paで接触アーク起動方式の適用が可能であるかどうかの検討を行う。また,電極の引き上げ速度,引き上げ高さおよび溶接電流などのアーク起動条件がアーク起動現象に及ぼす影響を明らかにする。 3)アルミニウム合金の溶接現象および酸化膜除去機構の解明 宇宙材料アルミニウム合金の真空環境下での宇宙GHTA溶接現象を明らかにするために交流溶接電源,直流溶接電源および直流パルス溶接電源を使用した溶接実験を実施した。そして,それらの溶接電源によるアーク放電現象,溶融現象などの溶接現象の特徴を明らかにした。次に,直流パルス溶接電源を使用する宇宙GHTA溶接によってアルミニウム合金母材表面の酸化膜除去が可能なことを示し,また溶接現象の詳細観察によって酸化膜除去機構を解明した。(溶接学会論文集,22・2(2004),p521-526,宇宙利用シンポジウム,20(2004),p288-291)
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 吹田義一, 高井大輔, 他5名: "ISS軌道圧力でのアルミニウム合金の宇宙GHTA溶接実験"日本航空宇宙学会論文集. 52・600. 10-15 (2004)
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[Publications] 吹田義一, 永井宏和, 他7名: "アルミニウム合金の真空中でのGHTA溶接現象"溶接学会論文集. 22・2. 521-526 (2004)
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[Publications] 吹田義一, 永井宏和, 他5名: "宇宙GHTA溶接法による真空環境でのアルミニウム合金の溶接現象"宇宙利用シンポジウム(日本学術会議,宇宙航空研究開発機構). 20. 288-291 (2004)