2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560643
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安田 秀幸 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60239762)
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Keywords | 強磁場科学 / 配向組織 / 集合組織 / 結晶磁気異方性 / 粗大化 / 固相変態 |
Research Abstract |
本研究では、凝固・熱処理前の初期組織に注目し、非平衡組織を利用した固液共存状態の実現、過飽和固溶体からの粗大化過程に強磁場を印加して、配向組織の形成を行う点がプロセスの特徴である。非平衡組織の加熱による配向組織形成は通常の凝固プロセスとは違い、選択的な加熱によりその領域が平衡相に変態しながら配向組織を形成することができる。昨年度には、1)レーザーを利用した磁場中加熱装置を試作し、2)レーザー照射による部分的なBi-Mn系非平衡相組織からの変態と晶出相の配向組織形成条件を実験的に明らかにしたが、本年度はこれらの課題とともに、配向組織の形成機構、特に固相中の配向組織形成機構について検討を行った。 サブミクロンオーダのBiMn化合物が均一に分散した急冷凝固組織を初期組織として、10Tまでの磁揚中でアニールした(アニール温度は、Bi-BiMn共晶温度以下)。初期組織ではBiMn化合物の配向が見られなかったのに対して、8時間程度アニールした試料では印加磁場方向にBiMn化合物のC軸が配向する現象が観察された。さらに、磁場中で48時間アニールするとC軸の配向は顕著になった。すなわち、配向のない初期組織(急冷凝固組織)から磁場を印加した状態で固相状態でアニールすると、化合物粒子の粗大化過程で磁気異方性エネルギーにより配向組織が形成できることが明らかになった。この現象は、粒子成長の駆動力として、界面エネルギーだけでなく結晶磁気異方性エネルギーが作用することを実験的に示しており、結晶磁気異方性エネルギーによる回転トルクにより結晶が回転して配向組織を形成する機構以外にも磁気効果を利用した配向組織形成が可能であることを示している。
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Research Products
(3 results)