2003 Fiscal Year Annual Research Report
渦流式撹拌の混合・分離特性を生かした高効率精錬反応器の研究
Project/Area Number |
15560645
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
横谷 真一郎 日本工業大学, 工学部, 教授 (80049692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中里 英樹 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30283716)
高木 茂男 日本工業大学, 工学部, 助教授 (30265368)
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Keywords | 高効率混合 / 渦流式撹拌器 / 旋回流 / 環状衝突噴流 / 位置エネルギー |
Research Abstract |
鉄鋼プロセスの高生産性、高品質化に対する要求は益々高いレベルに達しているが、地球環境を守り、持続的発展を達成するために更なるエネルギー、資源の節約が要請されている。従来、精錬プロセスにおいて、溶鋼と濡れない粉体精錬剤を密度差が大きく異なる溶鋼と混合させるには特別なエネルギー(インジェクション法、KR法と言った機械的エネルギー、電磁誘導撹拌といった電気エネルギー等)の供給が必要であった。したがって、外部からの特別なエネルギー供給を出来るだけ少なくして、省エネルギーに努め、かつ、効率良く混合・分離作用が生じるプロセスの開発が緊急かつ重要な課題である。そこで著者等は濡れ性が悪く、かつ密度差の大きな物質を外部エネルギーなしに混合できる反応器として漏斗型混合容器を提案した。水モデル実験装置として漏斗部、混合管、オーバーフロー管部から構成されている。漏斗の上端部に設置された周方向の内径31mmの塩ビ管から11.25/minの清水が流入して、位置エネルギーによって吸い込み渦(自由渦)を形成して、漏斗吐出口から約45°の環状衝突噴流として混合管内の自由表面に突入するのが観察された。得られた結果は以下の通りである。 1.漏斗内流れは軸対称流れであり、気柱と液中の境界面である自由表面より遠ざかるとほぼ距離に反比例的な周速度であることが分かる。この実験結果は乱流レイノルズ・ストレスモデルを用いて再現することが出来た。 2.気柱と液中の境界面である自由表面近傍では比較的大きな下降流が見られるが、それより内側に入ると若干上昇流が見られた後、漏斗壁まで零に近い小さい軸速度分布を示している。 3.漏斗吐出口から半頂角40°をなす環状噴流が混合槽の自由表面に突入することによって、混合管壁面近傍を流下する流れと管軸近傍を上昇する流れ、一種の循環流れが存在している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 横谷真一郎, 高木茂男, 佐々木清人, 井口学: "渦流式撹拌器による混合・分離現象"鉄と鋼6月(特集)号. 90,6. (2004)
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[Publications] 中里英樹, 田中敏宏, 岡本敦, 青野道匡, 碓氷建夫, 原茂汰, 横谷真一郎: "漏斗内液体の旋回流動に及ぼす漏斗角及び濡れ性の影響"鉄と鋼6月(特集)号. 90、6. (2004)
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[Publications] 田中敏宏, 中本将嗣, 原茂汰, 丸川雄浄, 横谷真一郎: "高温融体物性論の立場から見た高効率反応プロセス"材料とプロセス. 17,1. 37-37 (2004)
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[Publications] 横谷真一郎: "旋回流と混合・分離、鋳型内流動制御"材料とプロセス. 17,1. 47-47 (2004)
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[Publications] 青野道匡, 中里英樹, 碓氷建夫, 田中敏宏, 横谷真一郎: "渦流式撹拌器内の液体流動に及ぼす濡れ性の影響"材料とプロセス. 16、4. 954-954 (2003)