2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノサイズ立体構造の疎水性有機固液界面の創生技術に関する研究
Project/Area Number |
15560657
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
福井 啓介 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50047635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 光治 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00264838)
朝熊 裕介 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40364038)
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Keywords | Impurity Distribution / Solid-liquid Interface / Melt crystallization / Simulations / Functional Interface / Phase Equilibrium |
Research Abstract |
融液(ここでは疎水性有機固体(飽和脂肪酸混合物)を示す)の結晶化または固化現象を利用し、結晶のナノ構造を創生するには、熱および物質移動状態を制御することが重要である。さらに、熱および物質移動は融液の流動状態すなわち運動量移動に支配されている。 本研究では、2重円管で外管の融液を回転している内管表面に結晶層として生成させて,疎水性結晶層の特性と操作の関係を明らかにするものである. 今年度の研究では,融液の流動状態を変化させて結晶層を生成した.流動状態は内管の回転数を変化させることにより,結晶層の形状が変化する.成果としては,結晶層の成長速度,純度,結晶層の構造と内管の回転数の関係を実験的に明らかにした.回転数が大きくなれば,融液の流動状態が激しくなり,テイラー対流が発生した.よって,結晶層では,成長速度の速い部分と遅い部分が交互にできた.成長速度の速い部分の純度は低く,成長速度の遅い部分の純度は高くなった.また,回転数が大きい場合,結晶層全体の成長速度は遅くなり,純度は高くなった. 回転数が小さい場合,結晶層の構造は遠心方向に針状にルーズに成長した構造(3次元成長)となり,結晶粒塊があまり見られなかった.回転数が大きい場合,回転方向に層状にタイトに成長した構造(2次元成長)となり,結晶粒塊も多く見られた.その結晶層の構造はX線回折の結果から定量的にも関係付けられることが明らかとなった. 最終年度の課題では,疎水性結晶層のナノメータレベルの観察と疎水性特性の関係を明らかにすることである.
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Research Products
(5 results)