2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560661
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松本 繁 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 雅俊 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30230759)
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Keywords | 触媒充填層 / 触媒活性 / オンライン推定 / オブザーバー / 拡張カルマンフィルター |
Research Abstract |
反応器の物質収支,熱収支式を基に、昨年度設計したオブザーバーを改良して観測ノイズに強いものを再設計した。物質収支,熱収支式を無次元化して直交選点法により空間方向を離散化して非線形の常微分方程式に変換し、これに拡張カルマンフィルタを適用することにより、温度、濃度分布を推定することの出来るオブザーバを構成した。なお、触媒の劣化を推定するために、反応速度定数の頻度因子をモデル中の未知パラメータとして、状態変数と同時に推定する方法をとった。 構成したオブザーバの性能をシミュレーションで評価したところ、構成したオブザーバは温度および濃度分布を観測ノイズに影響されず精度良く推定することができ、さらに頻度因子もシミュレータの値と一致し良好な推定性能があることが確認できた。 次に、エチレンの完全酸化を行う現有の触媒充填層反応器(長さ90cm、直径2.5cm)に触媒を充填して反応を行い、反応器内3〜5点の測定温度と購入した赤外線ガス分析計にて測定される原料および生成物濃度を観測値として、オブザーバーを用いて反応器内温度および濃度分布および頻度因子の推定する実験を行った。その結果、温度および濃度とも実験値に一致し、頻度因子も予備実験で求めた値の士10%の精度で推定でき、満足のいく推定結果が得られた。なお、今回用いた触媒は劣化がみられなかったので。劣化速度の推定までは出来なかった。しかしながら、本研究で用いたオブザーバーでは頻度因子をリアルタイムで推定できることから、頻度因子の値を監視することで活性劣化の様子も知ることができると考えている。
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