2003 Fiscal Year Annual Research Report
秋田杉樹皮を原料とする高機能吸着剤の製造とその性能評価
Project/Area Number |
15560665
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小沢 泉太郎 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (60005436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北林 茂明 秋田大学, 工学資源学部, 助手 (90224964)
進藤 隆世志 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (50162798)
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Keywords | スギ / 樹皮 / 炭化 / 賦活 / 活性炭 / 表面積 |
Research Abstract |
秋田県産のスギ(秋田杉)樹皮の代表的な試料を用い、不活性ガス雰囲気での予備炭化および二酸化炭素雰囲気での賦活の二段処理による活性炭の調製法を検討した。 1.はじめに、雰囲気調整可能な市販マッフル炉の使用を試みたが、試料の灰化が頻繁に生じた。これは、空気と雰囲気ガスの置換が不十分なことが主因と考えられ、この点に関する技術的な改良の試みは現在も継続中であるが、これまでの検討の中で、スギ樹皮を含む繊維質のバイオマスの炭化反応では、他の有機資源に比べて微量の酸素による酸化を受けやすいとの特徴を見いだしている。 2.そこで、本年度は処理できる試料量は少ないが確実な雰囲気制御が可能な石英ガラス製炉心管を有する円筒炉を主に用い、以下の検討を行った。まず、炭化温度、炭化時間を変数として、炭化物の収率、比表面積、細孔容積、および細孔分布を指標とし、IR、XRD、元素分析の結果を参照しながら、炭化反応機構を考察しつつ、原試料(スギ樹皮)の繊維構造がよく保持される炭化条件を選定した。 3.つぎに、この炭化物を出発物質とし、賦活温度および賦活時間を変えながら活性炭を得る最適な条件を調べた。これらの結果、スギ樹皮を原料として市販活性炭、例えばヤシ殻炭に匹敵する大表面積と細孔容積を有する活性炭を調製できることを示し、その条件を明らかした。さらに、これらの検討と平行して、予備炭化を経ずにスギ樹皮を直接賦活する実験をも実施し、比較・考察した。 ある種の合成繊維を賦活して得られる繊維状活性炭は、拡散距離が短かく、吸脱着速度が速いことが知られている。スギ樹皮炭も大きなアスペクト比を有すると予想されることから、速度論的なキャラクタリゼーションが重要と考え、準備を開始している。
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Research Products
(1 results)