2005 Fiscal Year Annual Research Report
秋田杉樹皮を原料とする高機能吸着剤の製造とその性能評価
Project/Area Number |
15560665
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小沢 泉太郎 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (60005436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 隆世志 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (50162798)
北林 茂明 秋田大学, 工学資源学部, 助手 (90224964)
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Keywords | スギ樹皮 / 秋田杉 / 熱分解 / 活性炭 / 吸着特性 / 物質移動速度 / 拡散速度 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、産地や樹齢の異なるスギ樹皮資料についての検討を続けるとともに、再生可能な植物性繊維資源であるケナフについての検討も続けた。 1.前年度までの研究で、スギ樹皮炭化物およびそれを賦活して得た活性炭は、在来の活性炭に匹敵する大表面積と細孔容積を有することが分かったが、機械的強度が比較的低く粉化し易いことが認められていた。強度は実用上重要な特性のため、今年度は予め少量のフェノール樹脂を混合して予備成形した資料を炭化・賦活する方法を試みた。その結果、樹脂を添加しない場合に比べると表面積がさらに増加し、強度優れた活性炭を調製できることが分かった。ケナフの芯材も同様であったが、ケナフの皮では樹脂混合の効果は得られなかった。 2.平衡特性と並んで吸着剤の重要な特性である物質移動速度特性を、パルス応答クロマトグラムの解析から検討した。ヘリウムキャリアガス中にプローブとして注入したメタンのパルス応答の保持時間、半値幅を、種々の温度、流速条件で測定し、文献の方法により解析した。スギ樹皮は出発原料の繊維質構造を炭化・賦活後も残していることが前年度までの研究で分かっているため、繊維状活性炭類似の速い物質移動速度が期待されたが、実際、ミクロ孔の物質移動速度は市販の活性炭(ヤシ殻炭)と比較して1〜2桁速いとの結果を得た。
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