2004 Fiscal Year Annual Research Report
有機無機ナノ構造を利用したチューナブル分子認識環境光触媒の機能開発
Project/Area Number |
15560667
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
犬丸 啓 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80270891)
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Keywords | 内分泌攪乱物質 / 分子認識 / 分子選択性 / ナノ多孔体 / メソ多孔体 / 有機修飾 |
Research Abstract |
環境中の極低濃度の水中有害分子を除去するためには,共存分子に阻害されずに目的分子を分解する分子認識機能が重要である.表面有機修飾により有機・無機ナノ構造を構築し,分子選択的な吸着機能と光触媒の分解機能を複合化した触媒として,有機修飾TiO_2微粒子と,有機修飾したTiO_2担持ナノ多孔体(TiO_2-MCM-41)の特性を調べた.TiO_2微粒子表面にオクチル基を修飾した触媒(C8-TiO2)は、1000ppmのフェノール共存下でも数ppmのノニルフェノールを効率よく分解できた。アルキルフェノール類、アルキルアニリン類のC8-TiO2への吸着を比較すると、フェノール類でアルキル基の大きなものが選択的に吸着した.一方,TiO_2-MCM-41にオクチル基を修飾した触媒(C8-TiO2-MCM-41)は,ノニルフェノールポリエトキシレート(平均分子量約580程度)を低濃度においても細孔内に濃縮し,光触媒による分解が起こることがわかった.有機修飾していないTiO_2-MCM-41では,NPEOの分解が観測されなかった.これは,有機修飾によりナノ空間が疎水化し,NPEOがナノ空間に特異的に濃縮吸着されたためと考えられる.実際,NPEOの吸着を測定してみると,C8-TiO2-MCM-41は低濃度側でTiO2-MCM-41に比べてはるかに吸着量が高い.つまり,疎水化されたナノ空間にNPEOが濃縮され,細孔内に担持された酸化チタン光触媒が有効に作用したと考えられる.以上,NPEOの有機疎水場と無機触媒活性部位をナノ構造に組み込むことにより,分子吸着選択性と光触媒が機能面で複合化できることがわかった.
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Research Products
(5 results)