2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560687
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宮崎 康行 日本大学, 理工学部, 講師 (30256812)
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Keywords | 宇宙構造物 / ゴサマー / 膜 / 接触 / 展開構造物 |
Research Abstract |
ゴサマー構造物とは膜面や高分子メッシュ、ケーブルのように極めて薄い、あるいは細い弾性体によって構成される構造物である。本研究では、ゴサマー構造の展開挙動および展開後の動特性・形状精度には(1)折癖、(2)膜面同士の接触(摩擦)、(3)熱歪等の微小外乱によるしわの発生、の3つが重大な影響を与えることを研究代表者が自ら開発した数値解析コードにより明らかにした。また、ゴサマー構造物の例として、遠心力展開型膜面の展開ダイナミクスを計算し、膜面同士の接触の影響を定量的に明らかにした。さらに、ゴサマー構造物のもうひとつの例として、ロールアツプ式インフレータブルチューブの展開方式を考案し、実験装置の試作および展開実験を実施した。その結果、提案する方式が従来の方式に比べて展開機構が非常に簡素な方式で、かつ、安定に展開が可能で、展開速度を調整できる方式であることを実験的に明らかにした。さらに、汎用ソフトウェア「LS-DYNA」を用いて、提案する方式によるチューブの展開ダイナミクスを計算し、実験に対応した現象を再現できることを示した。次に、展開後の形状制御方法の一つとして、膜面をケーブルで支持し、その支持ケーブルの長さを調整することで膜面形状を制御する方法について検討した。その結果、材料の形状誤差だけでなく剛性誤差をも予測パラメータとする逆解析により、従来の形状制御方法に比べて少ないケーブル長さ調整作業で要求される形状を実現できることを数値計算により明らかにした。最後に、ゴサマー構造物のダイナミクスを柔軟多体力学の視点で理論的に考察し、論文として発表した。以上により、研究代表者が提案する数値解析法および形状制御法が実際の構造物に適用可能であることを実験・理論・数値計算により示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Miyazaki, T.Kodama: "A Formulation and Interpretation of Equation of Motion Based on Energy-Momentum Method"Journal of Multi-body Dynamics. (2004)
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[Publications] Y.Miyazaki: "A Formulation of Geometrical Constraint in Energy Momentum Method"Theoretical and Applied Mechanics Japan. Vol.52. 211-221 (2003)
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[Publications] 児玉剛, 宮崎康行: "エネルギ・モーメンタム法における運動方程式の導出手順と解釈について"日本機械学会論文集(C編). 69巻684号. 1954-1959 (2003)
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[Publications] H.Sakamoto, K.C.Park, Y.Miyazaki: "Evaluation of Cable Suspended Membrane Structures for Wrinkle-Free Design"Proceedings of 44th AIAA/ASME/ASCE/AHS/ASC Structures, Structural Dynamics, and Materials Conference (AIAA-Paper 2003-1905). (2003)
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[Publications] Y.Hamamoto, Y.Miyazaki: "Stable Deployment of Rolled-up Inflatable Tube by Control of Gas Flow"Proceedings of 54th International Astronautical Congress (IAC-03-I.2.07). (2003)