2004 Fiscal Year Annual Research Report
AISとドップラーレーダによる船舶航行支援システムの研究
Project/Area Number |
15560690
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
藤坂 貴彦 東京海洋大学, 海洋工学部, 助教授 (00345399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今津 隼馬 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (00016958)
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Keywords | AIS / 舶用レーダ / コヒーレントレーダ / 遠隔情報計測 / パルスドップラーレーダ |
Research Abstract |
1.レーダ探知結果に対するAIS搭載船と非搭載船識別アルゴリズムの検討 現行の舶用レーダでは、観測毎に直接計測できるのは目標の方位と距離すなわち位置のみである。一方、AISでは、船舶の位置、針路、速力などの動的情報とともに船舶の識別コードが通報される。これら2種類のセンサーによる目標の情報を統合する際に位置情報のみを用いた相関処理では、観測対象となる船舶が接近した場合に誤りが生じる。特に、レーダでの船舶の識別は困難な課題である。昨年度の研究でレーダのコヒーレント化が可能となることを示したので、更に、船舶識別のために逆合成開口レーダ(ISAR)の原理を用いて、船舶を画像化できるかを検討した。 ISARは、パルス圧縮によってレンジ(電波の進行方向)の高分解能化を図り、船舶のロール、ピッチ、ヨーなどの回転運動を利用してクロスレンジ(レンジに直交する方向)の高分解能化を図る。その結果、レンジとクロスレンジの2つの軸で表現される平面上に投影された船舶の形状を生成することができる。その際、レンジ分解能ΔRは送信帯域幅により任意に設定できるが、クロスレンジ分解能ΔCは、観測中の船舶の姿勢角の変動量Δθとレーダの送信波長λを用いて、ΔC=λ/2Δθにより与えられる。実現可能なクロスレンジ分解能を明らかにするために本学練習船"汐路丸"が東京-館山-大島-東京間を航海した際に、運動データを取得し分析した。その結果、10GHz帯のレーダを用いた場合、1分ごとに分解能0.5〜2.0mの船舶の電波画像を取得でき、レーダ観測結果からも船舶の識別に有効な情報が抽出できることが分かった。(平成17年5月26日開催の日本航海学会にて報告する)
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