2003 Fiscal Year Annual Research Report
希薄重金属イオン等を含む坑廃水の選択的迅速完全除去法に関する研究
Project/Area Number |
15560704
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐々木 弘 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50006037)
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Keywords | 希薄有害物 / 希薄イオンの迅速分離 / 超微粒子分離 / 界面特性 / 硫酸還元菌 |
Research Abstract |
本研究は、希薄有害イオンを含む廃水の迅速完全除去に関して、研究代表者の独自の方法により達成することを目的としたものである。有害イオンとしてカドミウムイオンが希薄(数mg/l程度)で鉄イオンが比較的多量(数100mg/l程度)存在する廃水の場合、通常は鉄を中和して水酸化鉄の沈殿(スラッジ)を生成させ、固液分離する方法が広く採用されている。その際カドミウムは沈殿とともに共沈して分離される。この場合には大量の鉄沈殿が生成するために固液分離が可能であるが、カドミウムイオンのみが選択的に沈殿される条件下では徴量の沈殿しかできず固液分離ができないため、今日では全く廃水処理法としては採用されていない。しかし研究代表者は、たとえ極微量、極微細な沈殿が生成しても完全に迅速分離することができる方法の開発に成功した。 今年度は、希薄カドミウムイオンを含む溶液に硫化物イオンを添加して硫化カドミウムの沈殿を生成させ、微量微細な硫化カドミウム粒子を迅速に完全分離する研究をおこなった。 所定のカドミウム及び亜鉛混合水溶液に硫化物イオンを添加し、希薄な超微粒の硫化カドミウム及び硫化亜鉛を生成させた。この場合、少量の硫化物イオンを添加すると最初はCdが硫化物になり、Cdの全量が沈殿生成後にZnの硫化物が生成して迅速分離することが出来た。また、第二の方法は硫化物イオンを添加する代わりに、硫酸還元菌を繊維状スラグに固定化したカラムにCdイオンを含む水溶液を通過させると、カラム内で発生した硫化物イオンとCdが反応してCdSの超微粒沈殿を生成してカラムを通過した。ここで生成した希薄CdS懸濁液を分離するために、第一の研究で用いると同じ方法で迅速分離することができ、目的を達成することが確かめられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 林浩志, 勝賀瀬暢一, 常田聡, 平田彰, 佐々木弘: "スラグゥールを付着担体とする固定床型硫酸還元バイオリアクターによる希薄廃水からのカドミウム回収"資源と素材. 119. 559-563 (2003)
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[Publications] 林浩志, 二瓶智也, 生木大志, 常田聡, 平田彰, 佐々木弘: "界面特性お利用した細菌細胞の付着・脱着制御法"資源と素材. Vol.120. 54-59 (2004)