2005 Fiscal Year Annual Research Report
通電処理装置付き糸状菌バイオリアクターによるビートパルプからの有用物質生産
Project/Area Number |
15560712
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Research Institution | Junior college of Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
徳田 宏晴 東京農業大学短期大学部, 醸造学科, 講師 (20237069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 載慶 東京農業大学短期大学部, 醸造学科, 教授 (70172351)
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Keywords | ビートパルプ / 加水分解 / 前処理 / 固定化糸状菌 / 抗菌性 |
Research Abstract |
1.ビートパルプ加水分解用糸状菌バイオリアクターの構築 通電処理装置の陽極槽にペプトン0.9%、酵母エキス0.54%、麦芽エキス0.54%およびCSL0.18%からなる栄養成分混液を、また陰極槽に1%ビートパルプ懸濁液を投入し30Vで24h通電前処理を行った。得られた通電前処理ビートパルプ懸濁液をレーヨン製不織布(ED-5150:日本バイリーン)を担体として調製した固定化Aspegillus niger IFO 6662(100cm^2)により加水分解したところ、加水分解率80〜90%で7回の反応を繰り返すことが可能であった。 2.ビートパルプからの有用物質生産 2-1 通電処理によるビートパルプからの有用物質の抽出 通電前処理ビートパルプ懸濁液の上清より、ビートパルプから溶出した可溶性糖類を回収したところ、回収量は通電処理したビートパルプ100g当たり約28gであった。その成分組成比はアラビノース約30%、キシロース約9%、ペクチン約9%、ガラクツロン酸約3%、およびその他49%であり、アルカリ前処理によってビートパルプから溶出される可溶性糖類の組成とは異なっていた。 2-2 ビートパルプ加水分解物からの有用物質生産 2-2-1 ペントース高資化性乳酸菌の検索 発酵原料としてのビートパルプ分解物の利用を目的として、研究室保存乳酸菌を対象に標題菌の検索を行った。その結果、Pediococcus acidilactici 2306L、Lactobacillus fermentum TIST TR 398、およびLactobacillus delbrueckii subsp.lactis NRIC 1683を得た。 2-2-2 乳酸生産 通電処理ビートパルプをAspergillus niger IFO 6662の粗酵素によって加水分解したあと濃縮し、ここにPediococcus acidilactici 2306Lを添加して発酵試験を行った。得られた発酵液は、乳酸および酢酸をそれぞれ14g/lおよび9g/l含むものであり、ペーパーディスクを用いた平板培養法により本発酵液の抗菌性を検討したところ、植物病原菌であるErwiniw carotovora sub.sp.carotovoaに対する抗菌性を有していた。 付記:一連の研究成果の公表については、学会誌投稿論文を現在作成中である。
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