2004 Fiscal Year Annual Research Report
異なった時空間スケールの乱流間相互作用と輸送構造に関する研究
Project/Area Number |
15560721
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岸本 泰明 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (10344441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井戸村 泰宏 日本原子力研究所, 那珂研究所・炉心プラズマ研究部, 助教授 (00354580)
宮戸 直亮 日本原子力研究所, 那珂研究所・炉心プラズマ研究部, 博士研究員 (80370477)
LI J.Q. 日本原子力研究所, 那珂研究所・炉心プラズマ研究部, リサーチフェロー
矢木 雅俊 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (70274537)
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Keywords | 多階層・複合系プラズマ / 乱流間相互作用 / ジャイロ流体シミュレーション / 電子温度勾配モード / イオン温度勾配モード / 層流・帯状流 / フラクタル次元 / 確率密度分布関数 |
Research Abstract |
本研究は、核融合プラズマにおいて創出される内部輸送障壁等の送現象を支配する物理過程を解明するため、トカマクプラズマ中に発生する幅広い時空間スケールの揺らぎと揺らぎ間の相互作用を解析する"多階層・複合系プラズマ"に関わる理論・シミュレーション手法を開拓することを目的としている。 平成15年度は、ジャイロ流体モデルに基づくミクロスケールの電子温度勾配乱流とその乱流の非線形相互作用によって生成される帯状流生成のシミュレーションを行い、乱流と層流の配分が磁場構造によって制御されること、また、弱い磁気シア配位では圧力勾配の増大とともに帯状流成分が増大し、熱輸送が低減されることを見出した。16年度はこれらのシミュレーション研究を進展させ、磁気シアを強くするとストリーマと呼ばれる径方向に伸びた構造が出現することを見出すとともに、磁気シアが帯状流やストリーマと云った対流渦(Convective Cell)の構造を規定する乱流制御の重要なパラメータであることを示した。また、この物理的な背景を明らかにするため対流渦生成に対する変調不安定性の解析を行い、乱流から二次的に生成される対流渦は乱流の空間構造の影響を強く受け、乱流が径方向に広がったストリーマ様の場合は、対流渦は"帯状流"に、また乱流がポロイダル方向に伸びた帯状流様の場合は、対流渦は"ストリーマ"が生成されることを見出し、乱流制御の基礎を発展させた。また、確率密度分布関数やフラクタル次元を用いた乱流統計に関する研究を15年度に引き続いて進め、帯状流に支配されたコヒーレントな3次的な揺らぎの輸送特性の背景が明らかとなった。 また、ジャイロ流体モデルに基づくトロイダル配位のグローバルな乱流輸送コードの開発を進展させるとともに、イオン温度勾配による乱流シミュレーションを実現し、GAM(Geodesic Acoustic Mode)と呼ばれる振動する帯状流の生成と輸送特性の関係を明らかにした。特にGAMは磁場線のピッチに対応する安全係数の値に左右され、周辺領域の高い安全係数領域ではGAMが励起されやすく、帯状流の輸送低減効果が低下することを示した。
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Research Products
(5 results)