2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560724
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宮原 洋 名古屋大学, 医学部, 教授 (90023184)
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Keywords | ^<105>Ru / ^<105>Rh / γ線強度 / 崩壊率 / γ線放出率 / 精密測定 / 評価値 / 過大評価 |
Research Abstract |
京都大学原子炉実験所で濃縮安定同位体^<79>Br(濃縮度99.41%)及び^<104>Ru(濃縮度99.21%)の熱中性子照射により、^<80,80m>Br及び^<105>Ruを製造した。これらを溶解し、滴下・乾燥により絶対測定用線源を製造し、2次元データ集積システムを用いる4πβ-γ(HPGe)同時計測装置により、同時計測及びγ線スペクトル測定を行い、崩壊率及び検出γ線強度を得た。一方、γ線放出率が高精度で決められている^<24>Na、^<57>Co、^<60>Co、^<133>Ba、^<134>Cs、^<152>Euを標準線源として作製し、崩壊率とγ線強度を測定しγ線検出効率を求め、γ線検出効率曲線を得た。その結果、試料線源の崩壊率と絶対γ線強度が求められ、γ線放出率が決定できた。 今年度測定した^<105>Ruは半減期4.44時間でβ^-崩壊し^<105>Rhとなり、さらに半減期35.36時間でβ^-崩壊し^<105>Pdとなる。そのため測定した崩壊率は製造後の経過時間で^<105>Ruと^<105>Rhの崩壊率の割合が異なり、補正する必要がある。製造後72時間(^<105>Ruの16半減期)程度経過すれば^<105>Ruはほとんど減衰するので、それ以後に測定した^<105>Rhの崩壊率よりその生成曲線を用いて、^<105>Ru測定時における^<105>Rh量を算出し補正した。^<105>Ruの主要な469.4、676.2、724.3keVγ線の放出率は18.2(3)、15.5(2)、46.6(8)%との結果が得られ、評価値の17.7(6)、15.7(5)、47.3(5)%はほぼ妥当な評価であることが判明した。一方、^<105>Rhの場合、306.1、318.9keVγ線の測定値は4.77(5)、16.99(16)%で、評価値の5.1(3)、19.1(6)%は10%程度過大評価されていることが判明した。
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