2004 Fiscal Year Annual Research Report
超プロトン電導性ガラスの創製と酸水素燃料電池への応用
Project/Area Number |
15560735
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
桜井 誠 中部大学, 工学部, 講師 (10278260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 誠 中部大学, 工学部, 教授 (10236317)
渡辺 誠 中部大学, 工学部, 教授 (00097677)
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Keywords | 燃料電池 / 固体電解質 / プロトン電導性固体電解質 / リン酸塩ガラス |
Research Abstract |
燃料電池の開発の主流は、その作動温度が100℃以下の低温型と600℃以上の高温型の2種類であり、150〜400℃の中温域の燃料電池は、その温度で安定に作動する電解質が無いために開発が遅れている。本研究では200℃付近以上で作動する固体電解質の開発を目指し研究を行った。原料としてSrO、MgO、P_2O_5を用い、組成が2SrO-MgO-70 P_2O_5となるように所定量秤量・混合後、オートミルを用いてペーストにし超音波により分散させた。これをあらかじめ600〜800℃に設定した電気炉に入れ、加熱時間を30分及び60分として加熱した。溶融液をパイレックスガラス製の型に流し、除歪するために250℃の除冷炉に入れ、室温まで放置した。試料を円盤状にカットし、表面研磨を行い、種々の測定用試料とした。元素分析には蛍光X線分析装置を用いた。ガラス中の水分の定量には、ZnO添加法適用した。導電率は四端子法によりインピーダンスメータを用いて測定を行った。仕込組成と生成ガラスとの組成変化はわずかであった。含水率については、600℃で合成した試料は5.31%、800℃では1.02%と加熱温度の増加によって減少していた。導電率測定においては、合成温度600℃、700℃、800℃の試料では200℃での測定で、それぞれ4.5×10^<-4>Scm^<-1>、3.5×10^<-5>Scm^<-1>、及び7.5×10^<-6>Scm^<-1>となった。600℃で合成したガラスは熱安定性に乏しいため200℃で溶け出すが、700℃の試料では250℃、800℃の試料では350℃まで安定であることがわかった。また、作動温度領域を200℃以上にした場合、700℃で作成した試料では250℃での導電率が3.07×10^<-4>Scm^<-1>、800℃での作成試料では350℃での導電率が1.15×10^<-4>Scm^<-1>となり、高温での導電率の向上が見られた。800℃で合成した試料は350℃付近でも安定であることから、300℃において燃料電池としての発電特性試験を行ったところ、6.4mW/cm^2の発電に成功した。
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Research Products
(5 results)