2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15570016
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
吉村 仁 静岡大学, 工学部, 教授 (10291957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅見 崇比呂 信州大学, 理学部, 助教授 (10222598)
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Keywords | 近縁種 / 種文化 / 種多様性 / 陸棲貝類 / 個体ベースモデル / シミュレーション / 数値解析 / 共存 |
Research Abstract |
本研究では、基本となる共存モデルとして、以下の3つのモデルを構築・解析した。 (1)巻貝の巻き方の左右性の進化モデル 右巻きと左巻きの貝の進化を検証するために、今回、individual-based model(IBM)法を利用した巻貝の右巻きと左巻きの間の進化シミュレーションを構築した。シミュレーションは、優性右巻き、または、劣性左巻きのホモ遺伝子型の個体群に、同じ巻型をしたヘテロ遺伝子型の突然変異個体を導入し、突然変異の遺伝子が集団において固定するか、その頻度を測る。その結果は、巻型の変わる進化が起こり得る事を示した。突然変異個体の割合が低い時、右巻きから左巻きに固定する率は、その逆よりも高くなる。これらの結果を現在論文にして投稿中である. (2)格子生態系による草原モデル 格子生態系における2種の空間競争モデルを構築.解析した。ここで草原の競争を想定して、競争により1種が他種を駆逐・置換していく過程を組み入れた。置換確率を変異させて共存可能な領域がどのようなパラメータの領域にあるかを確認した。現在,論文を準備中である. (3)プランクトンの多種共存モデル 10種のプランクトンの空間競争モデルを構築・解析した。この場合、10種は成長率の微妙な違いがあるが、栄養条件により、それが変化するように仮定した。ここで、生態学的時間として1万から数万世代の時間をとり、その間の共存種数が栄養条件でどのように変化するか検証した。その結果,局地的相互作用が生態学的時間スケールでの共存を可能にすることを見出した.この結果をさらに発展させ,富栄養化のパラドックスとして知られる,富栄養化に伴う種数の減少が説明できることを見出した.現在論文を投稿中である. 以上3つの基本モデル構築.解析して、現在、これらの論文の作成・投稿中である.
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Research Products
(6 results)