2003 Fiscal Year Annual Research Report
景観生態学的手法および分子生態学的手法を用いた都市内残存緑地の機能評価
Project/Area Number |
15570026
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Research Institution | Kitakyushu Museum of Natural History and Human History |
Principal Investigator |
真鍋 徹 北九州市立自然史, 歴史博物館, 学芸員 (90359472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 啓太郎 九州工業大学, 工学部, 助教授 (10315161)
内藤 和明 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 講師 (50326295)
馬場 稔 北九州市立自然史, 歴史博物館, 学芸員 (20165062)
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Keywords | 景観生態 / 分子生態 / ハビタット機能 / 孤立化 / オルソフォト / GIS / 分子マーカー / 齧歯類 |
Research Abstract |
1 景観構造の時間・空間的変遷パターンとプロセスの把握 1962年および2000年撮影の空中写真を用い、調査対象域の景観構造の現状把握や変遷過程をGISを用いて解析した。その結果、当該地域では、植生遷移の進行によると思われる植生の発達や、開発による植生の分断化が検知された。また、植生の分断化が激しい地区と比較的ゆるやかな地区が抽出された。この相違は、土地利用状況の差違に起因すると思われた。今後、より多年代の相観植生図を作成し、景観構造の変遷過程をより詳細に把握する予定である。一方、空中写真のオルソフォト化技術の確立に正確なデジタル相観植生図の作成は可能となったが、より効率的な作成法の確立が検討課題である。 2 樹木群集の構造調査と解析法の確立 調査対象域内に点在する様々な面積の都市林に調査区を設置し、樹木群集の構造を調査した。その結果、シイ類(スダジイあるいはコジイ)が優占する林分、タブノキが優勢な林分、さらにコナラの優勢する林分に区分できた。これら異なるタイプの林分の成因に関しては現時点では未確定であるが、当該地の過去の利用履歴と微地形で説明が可能であるものと推測された。また、これら林分における生育地機能の評価のため後継樹の種類や密度を調査したところ、各林分を含むパッチの面積と優占樹種および土地利用履歴の3軸で整理できるものと推測されたため、現在、これらの関係を定量的に評価できるモデルと解析手法を検討中である。 3 分子生態学的解析法の検討 シイ類の遣伝構造解析に使用可能な分子マーカーの検索と合成が終了した。現在、上層個体と後継個体(実生・稚樹)との遺伝的多様度の有効な比較手法を検討中である。 4 げっ歯類群集の予備構造調査 文献探査等から、各調査地に生息している可能性のある齧歯類の種類が抽出できた。現在、信頼度の高い密度推定法の確立に向けた予備調査を企画している。
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Research Products
(1 results)