2004 Fiscal Year Annual Research Report
光・酸素ラジカル架橋法による光化学系IIポリペプチドの空間配置の決定
Project/Area Number |
15570036
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山本 泰 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40091251)
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Keywords | 光合成 / 光化学系II / 分子間架橋 / 光ストレス / D1タンパク質 / プロテアーゼ / FtsH / 熱ストレス |
Research Abstract |
本研究は当初、光化学系IIの酸素発生系の構造解析の一環として、反応中心D1タンパの質の近傍に存在するタンパク質を光架橋法及び化学架橋法で同定することを目的として開始された。しかし、研究の進行に伴って、D1タンパク質の近くに金属プロテアーゼFtsHが存在することが明らかとなり、研究の焦点をこのFtsHの光化学系IIでの存在状態と機能の解析という点にシフトさせた。その結果、以下のような新たな研究の展開をみた。 1)ホウレンソウの光化学系II膜及び光化学系IIコア複合体についてタバコ及びアラビドプシスのFtsH抗体を用いたウェスタン解析を行ったところ、これらのサンプルにFtsHが存在することが明らかとなった。 2)光及び化学架橋実験の結果、FtsHとD1タンパク質が架橋することが分かった。 3)ホウレンソウ光化学系IIに40°の熱ストレスを与えるとD1タンパク質が分解されるが、この分解にFtsHが関与することが、FtsHの単離と再構成実験から明らかとなった。 4)FtsHを欠損するシアノバクテリア変異株に2)と同じ熱ストレスを与えたところ、D1タンパク質は分解されなかった。野生株では分解された。 以上の結果は、光化学系IIの近傍にFtsHが存在し、光や熱のストレスで損傷を受けたD1タンパク質をその場で直ちに分解する可能性を示唆している。
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Research Products
(4 results)