2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学を用いたアマランサスにおけるベタイン合成・蓄積機構の解析
Project/Area Number |
15570044
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
田中 義人 名城大学, 理工学部, 助教授 (10247679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倍 昭洋 名城大学, 総合研究所, 教授 (80097766)
日比野 隆 名城大学, 理工学部, 助教授 (70218741)
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Keywords | グリシンベタイン / アマランサス / 塩ストレス / コリンモノオキシゲナーゼ |
Research Abstract |
1.ベタイン蓄積植物におけるベタイン合成経路および、律速段階の解明。 切除したアマランサスの本葉にコリンを外から与えると塩ストレス条件下でのGBの蓄積量が大きく増加した。この結果は、少なくとも塩ストレスの初期の段階ではCMOの基質の供給量がベタイン蓄積の制約条件になっていることを示している。 さらにコリンの供給経路に影響を与える要因についての検討を行なった.植物において、セリンからエタノールアミンを経てコリンが合成される経路が報告されている。光合成組織におけるセリン合成には、光呼吸経路が重要な役割を果たしていると考えられるので、GBの蓄積レベルに対するCO_2濃度の影響を調べた。実験の結果、高CO_2存在下では塩ストレスによるGBの蓄積は有意に低下した。この結果は、GBの蓄積に光呼吸が関与していることを示している。 2.ベタイン蓄積植物におけるベタイン合成の誘導機構の解明。 アマランサスの芽生えに塩ストレスを与えると本葉および胚軸では1日以内でCMO蛋白質のすみやかな誘導がみられたのに対して子葉および根でのCMO蛋白質のレベルはゆっくりと増加した。このことは植物組織の違いによってCMOの遺伝子発現の塩ストレスに対する応答が異なることを示している。また、植物芽生えを暗所に置くと、塩ストレスを与えてもCMO蛋白質の蓄積はほとんどみられなかった。CMO蛋白質の蓄積には塩ストレスだけでは不十分で、さらに光が必要であることが明らかになった。 3.CMOの遺伝子発現機構の解明。 アマランサスCMO遺伝子の上流域のDNA配列にレポーター遺伝子としてGUSをつないだコンストラクトを作成し、アマランサスの本葉を用いてトランジェントアッセイを行った。 同じコンストラクトを用いてアラビドプシスを形質転換し、解析を行った。 解析の結果、促進的に作用するシス領域と抑制的に作用するシス領域の存在が明らかになった。
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Research Products
(2 results)