2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15570057
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
村田 隆 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (00242024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷部 光泰 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (40237996)
藤田 知道 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (50322631)
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Keywords | 表層微小管 / γ-チューブリン / 微小管形成中心 |
Research Abstract |
植物細胞に見られる表層微小管は細胞膜直下の細胞質を走る微小管で、細胞膜上で合成されるセルロース微繊維の並びを制御することにより細胞の形を制御する。では、表層微小管はどのようにして細胞表層で重合するのだろうか?植物細胞の細胞表層には微小管重合にかかわるタンパク質が散在していることが考えられるが、微小管重合にかかわるタンパク質は動物や菌類と同じタンパク質なのか、微小管重合にかかわるタンパク質はどのようにして細胞表層に局在するのか、ほとんど未解明である。 動物や菌類では、γ-チューブリンとその結合タンパク質であるSPC98ファミリーのタンパク質が微小管の重合核形成に働くことがわかっているため、当初の研究計画ではこれらのタンパク質に結合するタンパク質をTwo-hybrid法で検索し解析する予定であった。しかしながら、本年度はじめに、タバコ培養細胞の細胞質抽出液を用いて表層微小管の形成を再構築する実験系の扱いを習得することができた。この実験をさらに進めれば生化学的手法による表層微小管の形成に関与するタンパク質をより確実に同定できると考えたため、方針を変更して細胞質抽出液による実験系の解析を進めている。 タバコ培養細胞プロトプラストから調製した単離細胞表層(細胞膜ゴースト)を細胞質抽出液で処理するとゴースト上の微小管が増加する。この実験系を解析したところ、抽出液中のγ-チューブリンが既存の表層微小管に結合し、そこから枝分かれにより表層微小管が形成されることがわかった。予備実験の結果であるが、抗γ-チューブリン抗体ビーズを用いて細胞質抽出液からγ-チューブリンを除くと、枝分かれが減少することがわかった。ビーズに結合したγ-チューブリンには微小管の枝分かれに必要な結合タンパク質が結合していることが予想される。今後はアミノ酸配列解析によりこれらの結合タンパク質を同定する予定である。
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