2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15570060
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長山 俊樹 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80218031)
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Keywords | アメリカザリガニ / 逃避行動 / 学習 / 記憶 / 馴化 / 再抑圧 / オクトパミン / シナプス |
Research Abstract |
ザリガニは尾部への接触刺激に対しLGを介した逃避行動を示すが、繰り返し刺激を与えると馴化を起こし、応答が起こらなくなる。腹部単離標本を用い、電気生理学的に馴化の保持時間を解析し、以下の結論を得た。 (1)短い間隔(5秒以内)で刺激を繰り返し与えると、ザリガニは数回の試行後すぐに馴化を起すが、一分以内に回復し、LGは再び発火する。 (2)しかし、馴化成立から10-15分の休息の後、LGの応答性は再び減少し、刺激に対し、発火しなくなった。 (3)この馴化の再抑圧は長期(1時間以上)に渡って保持された。 (4)刺激間隔が長くなる(30秒から1分)と、馴化成立までの試行回数は増加するが、より短い休息時間(5分以内)で再抑圧に移行した。 (5)もっと長い間隔(5分)で刺激を与えると、比較的早く馴化が成立し、さらにその後LG応答は回復せず、直接再抑圧に移行した。 (6)馴化成立直後よりも再抑圧時のほうがLGのスパイク発火の閾値が有意に高くなっていた。 (7)馴化成立直後にニューロパイル内にセロトニン、オクトパミンを圧力注入により微量投与したところ、両者ともLGの馴化からの回復を早めたが、投与後時間をおいて刺激を与えたところ、セロトニンはほとんど何の効果を持たないのに対し、オクトパミンは再抑圧成立の時間を短縮する作用があった。5秒間隔で刺激した場合、馴化成立後10分の休息では、コントロールでは多くのLGが発火するのに対し、オクトパミン圧注個体では有意にLG発火の確率が減少した。 (8)チラミンの圧注効果は全く見られず、オクトパミンの促進効果がチラミン受容体を介したものでないことが確認できた。 (9)オクトパミンの拮抗薬フェントールアラニン、ミアゼリンはオクトパミンの促進効果を若干減少させた。 (10)オクトパミン注入後15分休息させた個体のLGの発火閾値はコントロールに比べ、有意に増加していた。 以上の結果から、繰り返し刺激によってLGに馴化が起こる過程で、オクトパミンの神経節内濃度が上昇し、LG内の二次メッセンジャー系を活性化、それによってLGの膜特性が変化し、閾値が上昇し、再抑圧が起こることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Araki M, Nagayama T: "Direct chemically mediated synaptic transmission from mechanosensory afferents contributes to habituation of crayfish lateral giant escape reaction"J Comp Physiol A. 189. 731-739 (2003)
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[Publications] Schuppe H et al.: "Effects of nitric oxide on proprioceptive signaling"Zool Sci. 21. 1-5 (2004)
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[Publications] Araki M et al.: "Nitric oxide modulates local reflexes of the tailfan of the crayfish"J Neurobiol. (in press). (2004)
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[Publications] Nagayama T et al.: "Distribution of glutamaterigic immunoreactive neurons in the terminal abdominal ganglion of the crayfish"J Comp Neurol. (in press). (2004)
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[Publications] Namba H, Nagayama T: "Synaptic interactions between nonspiking local internerurones in the terminal abdominal ganglion of the crayfish"J Comp Physiol A. (in press). (2004)