2003 Fiscal Year Annual Research Report
精子運動を司る分子群の同定とそれらの相互ネットワークの解明
Project/Area Number |
15570061
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
稲葉 一男 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80221779)
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Keywords | 精子 / ダイニン / タンパク質リン酸化 / プロテオミクス / ホヤ / 14-3-3タンパク質 / HSP40 / 分子シャペロン |
Research Abstract |
精子鞭毛内部に存在する、外部刺激に応答し運動活性化に繋がるシグナル伝達の分子機構を明らかにするために、カタユウレイボヤ精子を材料として、まず分子群の同定を行った。本年度は、以下の成果が得られた。(1)細胞膜を介したシグナル伝達機構に関与する分子を特定するために、精子活性化走化性物質(SAAF)の非存在下・存在下で等電点が変化するタンパク質を二次元電気泳動で調べた。その結果、12種類のタンパク質が運動活性化に伴い、等電点が変化することがわかった。これらをMALDI-TOF/MSによるペプチドフィンガープリンティングで同定するために、ホヤMSデータベース(MSCITS)、およびperl言語を用いたMS検索プログラム(PerMS)を作成した。この検索系を用いて、12種のタンパク質を解析した結果、9種のタンパク質を同定することができた。その中には、軸糸タンパク質であるスポークヘッドタンパク質LRR37、内腕ダイニン中間鎖IC116、cAMP依存性プロテインキナーゼ調節サブユニットの他、新規で未知のタンパク質が1種類が含まれていた。さらに、界面活性剤TritonX-100で可溶化されるタンパク質では、14-3-3タンパク質、TERサブユニット、tEFサブユニットを同定することができた。(2)運動活性化に伴う軸糸内のタンパク質変化を解析するために、まずダイニン中間鎖IC116のリン酸かを調べた。その結果、活性化に伴いIC116がリン酸化されることが明らかになった。さらに、ダイニン活性化において重要な役割を果たしているラジアルスポーク成分の特定を行い、HSP40、RSP4/6、MORNタンパク質、新規のp33タンパク質を同定することに成功した。特にHSP40を特定できたことは、軸糸運動、および分子集合における分子シャペロンの新規機能を示唆するものとして興味深い。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Padma, P.et al.: "Identification of a novel leucine-rich repeat as a component of flagellar radial spoke in the ascidian Ciona intestinalis"Mol.Biol.Cell. 14. 774-785 (2003)
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[Publications] Inaba, K.et al.: "Control of flatfish sperm motility by CO_2 and carbonic anhydrase"Cell Motil Cytoskeleton. 55. 174-187 (2003)
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[Publications] Inaba, K.: "Molecular architecture of sperm flagella : molecules for motility and signaling"Zool.Sci.. 20. 1043-1056 (2003)
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[Publications] Casey, DM., et al.: "DC3, the 21-kD subunit of the outer dynein arm-docking complex (ODA-DC), is a nove EF-hand protein important for assembly of both the outer arm and the ODA-DC"Mol.Biol.Cell. 14. 3650-3663 (2003)
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[Publications] Ogawa, K., Inaba, K.: "Smoac : Sperm motility activating complex formed by t-complex distorters"Biochem Biophys Res Commun. 310. 1155-1159 (2003)
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[Publications] Itoh A., et al.: "Characterization of a cAMP-dependent protein kinase catalytic subunit from rainbow trout spermatozoa"Biochem Biophys Res Commun.. 305. 855-861 (2003)