2005 Fiscal Year Annual Research Report
白亜紀の炭化植物化石に基づく原始的被子植物群の初期進化の解明
Project/Area Number |
15570076
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 正道 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00154865)
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Keywords | 白亜紀 / 植物化石 / 上北迫植物化石群 / 被子植物 / 初期進化 / 小型化石 / ヤマグルマ科 / 双葉層群 |
Research Abstract |
ダーウィン以来、「被子植物の起源と初期進化」は、解き明かすことの出来ない極めて難解な問題であると言われてきた。ところが、最近の白亜紀の植物化石の新発見などの研究成果によって、そのベールが少しずつ取り払われようとしている。従来から、動物化石に比べて、被子植物の初期進化の解明につながるような植物化石は少ないといわれてきたが、白亜紀に急激な炭化作用を受けた後、特殊な堆積条件下におかれた地層の中には、原始的被子植物群の果実、種子、花などが、保存性の良い植物化石が残っていることが分かってきた。これまでに、ヨーロッパと北アメリカ東部および日本の地層から立体的に保存された植物化石が発見されてきた。日本では、後期白亜紀の福島県双葉層からシクンシ科、ミズキ科、クスノキ科などの被子植物始源群の化石が発見され、上北迫化石植物群と名づけた。 今年度は,これまでの上北迫化石植物群が発見された芦沢層についての研究とともに,サントニアン期にあたる玉山層からの植物化石の発掘に取り組んだ。その結果,表面に特徴的な掌状パターンをもつ種子化石の発見に成功した。この種子化石は,現生植物のシキミ科やスイレン科との関連がある可能性があるが,珠孔の構造は現生のどの分類群とも一致していないという特徴をもっている。現生のスイレン科の種子に比べると,直系が1mm前後と極めて小さい種子化石である。現在,海外研究協力者であるCrane氏やFriis氏と詳しい形態学的検討を重ねているところであり,現生植物の種子やこれまで発見されている新生代の種子化石との比較を行い,白亜紀における被子植物始原群の新たな種子化石として報告する予定である。
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Research Products
(1 results)