2004 Fiscal Year Annual Research Report
毛顎動物の系統とボディープランに関する分子進化学的研究
Project/Area Number |
15570078
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
後藤 太一郎 三重大学, 教育学部, 助教授 (90183813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀谷 安章 三重大学, 生命科学支援センター, 助手 (20335152)
上島 励 東京大学, 大学院・理学研究科, 講師 (20241771)
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Keywords | ヤムシ / ミトコンドリアDNA / 前口動物 / vasa |
Research Abstract |
毛顎動物であるヤムシの系統的位置については近年の分子系統学的な見地から、後口動物の一員ではなく、前口動物に近いことが指摘されている。昨年度、ミトコンドリアDNA(mtDNA)ゲノム配列を指標としてヤムシの系統解析を行った結果、前口動物型に属すが、他のどの動物とも違うことがわかった。前口動物のうちどれに近いか系統解析を進めている段階で、米国の研究者によりヤムシmtDNAの解析がなされ、本研究結果と全く同じ研究結果が昨年夏に発表されたことが秋にわかった(PNAS,101(29):10693-10643)。このため、別の分子種で系統解析を行うことにして、昨年度着手したvasa遺伝子について再度単離を試みた。その結果、vasaのホモログを得ることができ、これは始原生殖細胞で発現することを確認した。このvasa遺伝子はプラナリアのものと最も相同性が高かった。現在、全長を得るための作業を続けている。また、昨年度、形態形成に関わることが知られている遺伝子のホモログを単離するために、背腹決定に関わる遺伝子として知られるdPPおよびsogのホモログの単離を試みたが、カエデイソヤムシ胚から作成したcDNAライブラリーからホモログを得ることができなかった。そこで、発生が進んだ段階でのcDNAライブラリーを作成した。このライブラリーを用いて、現在dppとsog,の単離を進めている。
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