2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞とリンパ球に共通に存在する糖鎖抗原による新しい分化・増殖制御の解析
Project/Area Number |
15570096
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北島 健 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 助教授 (80192558)
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Keywords | 神経細胞 / 神経突起形成 / 免疫細胞 / リンパ球増殖 / 糖鎖抗原 / ジシアル酸 / 糖タンパク質 / CD166 |
Research Abstract |
シアル酸がタンデムに2残基連結したジシアル酸構造が神経細胞の分化とT細胞の抗原非依存的増殖を制御するメカニズムの解明を目的として、本年度は以下の課題に取り組んだ。第一に、神経細胞上のジシアル酸構造については、ジシアル酸をもつ糖タンパク質の同定をすすめ、既に明らかにしたCD166以外にも少なくとも130kDa糖タンパク質の存在をつきとめた。このタンパク質のジシアル酸構造をもつ糖鎖は、CD166と同様にO-型糖鎖であることが強く示唆された。現在、O-型糖鎖の構造解析を行っている。また、この130kDa上のジシアル酸の発現は発生段階によって異なることが判明した。ジシアル酸構造の生合成に関与すると考えられるシアル酸転移酵素について、発生段階に依存した発現様式を調べた。第二に、リンパ球上のジシアル酸構造については、マウスからT細胞を調製し、T細胞上のジシアル酸をもつ糖タンパク質として、100kDaと200kDa糖タンパク質を見いだした。これらの糖タンパク質に存在するジシアル酸はO型糖鎖上に存在することが強く示唆された。この100kDa糖タンパク質は、CD166であることを同定した。マウスから単離したT細胞を抗ジシアル酸抗体で処理すると、CD3およびCD4を架橋することによって増殖刺激されるT細胞の増殖が促進されることを見いだした。この結果は、ラットで得られている結果と一致した。現在、そのメカニズムに関する解析を行っている。
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Research Products
(1 results)