2003 Fiscal Year Annual Research Report
先天性ペルオキシソーム欠損症における病因遺伝子とその障害の解明
Project/Area Number |
15570100
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田村 茂彦 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (90236753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 幸夫 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (70261237)
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Keywords | ペルオキシソーム / ペルオキシソーム欠損症 / 病因遺伝子 / 変異部位解析 / オルガネラ形成 |
Research Abstract |
細胞内小器官ペルオキシソーム(peroxisome)は多くの重要な代謝機能を有し、その障害は遺伝性の致死的疾患をもたらす。この遺伝性難病はZellweger症候群に代表されるペルオキシソーム欠損症として知られ、その中でもA群(米国8群)は、最後まで相補遺伝子が単離されていない相補性群であった。本課題研究では、A群の相補遺伝子を単離し、ペルオキシソーム欠損症におけるすべての一次的病因(遺伝子)を解明した。 A群に属する変異CHO細胞(ZP167)を用いて機能相補スクリーニングを行った結果、ペルオキシソーム形成能を回復させるヒトcDNAの単離に成功した。このcDNAクローンの塩基配列は305アミノ酸からなるタンパク質をコードしており、カルボキシル末端側にひとつの膜貫通ドメインを持つ膜タンパク質であることが推測された。このタンパク質はこれまでに報告されているすべてのペルオキシンとも顕著な相同性が認められないことから新規ペルオキシンPex26p(PEX26)と名づけた。Pex26pはPex6pを介してPex1pと複合体を形成し、Pex6pおよびPex1pの細胞内局在やこれらの機能に密接な相関を持つことを明らかにした[Nat.Cell Biol.5,454-460.(2003)]。また、ヒト欠損症患者におけるPEX26変異と機能障害の相関について分子レベルで研究を行った。A群患者由来の線維芽細胞を用いて、病因となる遺伝子変異を系統的に解析し、PEX26の温度感受性変異と臨床病型との相関について興味深い知見を得た[Am.J.Hum.Genet.73,233-246.(2003)]。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Matsumoto, N.: "Mutations in novel peroxin gene PEX26 that cause peroxisome biogenesis disorders of complementation group 8 provide a genotype phenotype correlation."Am.J.Hum.Genet.. 73. 233-246 (2003)
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[Publications] Matsumoto, N.: "The novel pathogenic peroxin Pex26p recruits the Pex1p-Pex6p AAA ATPase complexes to peroxisomes."Nat.Cell Biol.. 5. 454-460 (2003)