2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15570102
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
安増 茂樹 上智大学, 理工学部, 助教授 (00222357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田野倉 憂 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科・応用化学専攻, 教授 (60136786)
井内 一郎 上智大学, 理工学部, 教授 (10011694)
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Keywords | メダカ / 孵化酵素 / アスタシン / タンパク質立体構造 / 卵膜分解機構 |
Research Abstract |
メダカ孵化酵素は、2種のプロテアーゼ(HCE、LCE)の酵素系である。孵化時の卵膜の分解はHCEの卵膜の限定分解による卵膜の膨潤と、その後のLCEによる膨潤卵膜の可溶化という2つの段階により行われる。HCEとLCEは全く異なった作用で卵膜を分解するが、両者は共にアスタシンファミリーの金属プロテアーゼであり、そのアミノ酸配列は55%類似している。両酵素の卵膜の分解様式を解明することを目的として,両酵素の三次元構造の解明を行っている。すでに三次元構造が解明されたHCE加え、今回はLCEの構造決定を自的とした。孵化液より種々のカラムを用いLCEを精製し結晶化を試みた。0.2M Ammonium Sulfate,0.1M MES pH 6.5,30%(w/v) PEG monomethyl ether 5000の条件でLCEの結晶をえた。X線構造解析の結果1.6Åの解像度をえる事に成功した。現在は構造の精密化を行ってる。 HCEは卵膜を分解する際、卵膜に強く結合する事が示されている。また、抗-HCE単クローン抗体の一つがHCEのカゼイン分解活性を阻害せずに、卵膜の分解活性を特異的に阻害すること。その抗体がHCEの卵膜への結合を阻害することより、HCE分子内に触媒部位と卵膜への結合部位が独立に存在する事が示唆されている。卵膜への結合部位を探査する目的で、大腸菌の系を用い活性のあるリコンビナントHCEを作成した。アミノ酸配列に変異を入れたリコンビナントHCEを用い卵膜の分解活性を測定した。その結果、カゼイン分解活性には、影響を与えず、卵膜の分解を低下させるアミノ酸変異を同定した。その変異は、活性部位とは離れた場所に存在することより、HCE分子内に触媒部位に加え卵膜の結合部位が存在する事が強く示唆された。
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