2003 Fiscal Year Annual Research Report
ボツリヌス毒素複合体のサブユニット間相互作用およびX線結晶解析に関する研究
Project/Area Number |
15570103
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
大山 徹 東京農業大学, 生物産業学部, 教授 (60318178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 智行 東京農業大学, 生物産業学部, 講師 (70318179)
渡部 俊弘 東京農業大学, 生物産業学部, 教授 (80175695)
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Keywords | ボツリヌス毒素 / サブユニット構造 / X線結晶解析 / タンパク質複合体 / タンパク間相互作用 |
Research Abstract |
ボツリヌス毒素は、1分子の神経毒素(約150kDa)に非毒非血球凝集素成分(NTNHA)と3種の血球凝集素成分(HA)サブコンポネントの合計5種のタンパク質が非共有結合的に会合し、650kDaの巨大な分子量を有するサブユニット構造の複合体(TC)として培養液中に産生される。TCのサブユニット構造は、毒素が消化管での酸性条件や種々の蛋白分解酵素に曝されるという過酷な条件下でも強い耐性を持つ特異的な構造を有していることが示されてきた。本研究において、D型菌4947株(D-4947)を用い、複合体における個々のサブユニットタンパクの構成比を初めて明らかにした。 D-4947は、全ての構成成分にnickが認められないintactな毒素複合体(650kDa L-TC、610kDa TCおよび540kDa TC)を大量に産生する。いずれも同じSDS-PAGEパターンを示すが、650:kDaL-TC、610kDa TCおよび540kDaTCに結合しているHA-33/17の分子数は、その染色強度から各々4:3:2と推定し、HA-33/17分子を各TC種に滴定すると全てL-TCへ変換した。これらの結果などからD型ボツリヌスL-TCは、神経毒素およびNTNHAが各1分子、HA-70がが2分子、HA-33およびHA-17が各4分子からなるヘテロ12量体サブユニット構造であると結論した。一方、従来法では困難であった神経毒素の分離方法を検討し、高アルカリ条件(pH8.8)で安定なD型4947株神経毒素を結晶解析に供する新たな大量分離・精製法を確立した。神経毒素および毒素複合体の構造及び機能の特徴を明らかにするため、サブユニット間相互作用の情報を総合し、毒素複合体および個々のタンパクの結晶化とX線解析により、その高次構造を明らかにする。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Mutoh, S., Kouguchi, H., Sagane, Y., Suzuki, T., Hasegawa, K., Watanabe, T., Ohyama, T.: "Complete Subunit Structure of the Clostridium botulinum Type D Toxin Complex via Intermediate Assembly with Nontoxic Components"Biochemistry. 42. 10991-10997 (2003)