2003 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体ストレス応答遺伝子NDRG1およびHERPUD1の機能解析
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15570107
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
宮田 敏行 国立循環器病センター研究所, 病因部, 部長 (90183970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 智彦 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室員 (90360817)
小亀 浩市 国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室長 (40270730)
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Keywords | 末梢神経変性 / ニューロパチー / Ndrg1 / 遺伝子欠失マウス / ミエリン / Charcot-Marie-Tooth病 |
Research Abstract |
NDRG1は、血柱・動脈硬化惹起物質ホモステインにより誘導される遺伝子として我々により単離された。次いで、NDRG1は、常染色体劣性遺伝形式を示すCharcot-Marie-Tooth病4D型(CMT-4D:遺伝性運動感覚性ニューロパチーLom型)の原因遺伝子であることが判明した。我々はNdrg1遺伝子の機能を明らかにする目的でNdrg1遺伝子ホモ欠失マウスを作成した。ホモ接合体は致死ではなかった。Ndrg1遺伝子の発現を調べたところ、腎では発現が観察されなかったが、坐骨神経では極めて弱いが発現が確認された。組織像を調べたところ、本遺伝子欠失マウス(5週齢)の坐骨神経は脱ミエリン化がおこっていたが、ヘテロ体は正常であった。3ヶ月齢ホモ接合体マウスの末梢神経には、オニオンバルブ化や、コラーゲン化、マクロファージの浸潤が見られ、これらの像は、ヒトのCMT-4D型でみられたものと酷似していた。このような末梢神経の形態変化は、5適齢から見られたが、初期の1〜2週齢では観察されなかった。したがって、ミエリン形成能は正常に保たれていると考えた。抗NDRG1抗体を用いた免疫組織化学的解析の結果、野生型マウス坐骨神経において、NDRG1はシュワン細胞の細胞質に局在しており、ミエリン鞘に陽性像は見られなかった。これは他の多くのCMT病の責任遺伝子の発現パターンと異なっている。一方、中枢神経系においては、Ndrg1欠損マウスに組織学的な異常は見いだされず、運動機能検査の結果からも、運動協調性など高次の機能は維持されていることが示唆された。以上のことから、NORG1は、末梢神経系のミエリン鞘の構造維持に必須のタンパク質であることが示された。Ndrg1欠損マウスは末梢神経変性疾患のモデルマウスとして有用であり、NDRG1の分子機能の解明に貢献すると思われる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] X.Sai, et al.: "The ubiquitin-like domain of Herp is involved in Herp degradation, but not necessary for its enhancement of amyloid β-protein generation."FFBS Lett.. 553. 151-156 (2003)
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[Publications] T.Okuda et al.: "Ndrg1-deficient mice exhibit progressive demyelinating disorder of peripheral nerves."Mol.Cell.Biol.. 24(9). (2004)