2004 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体ストレス応答遺伝子NDRG1およびHERPUD1の機能解析
Project/Area Number |
15570107
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Research Institution | NATIONAL CARDIO VA SCULAR CENTER, RESEARCH INSTITUTE |
Principal Investigator |
宮田 敏行 国立循環器病センター研究所, 病因部, 部長 (90183970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小亀 浩市 国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室長 (40270730)
坂野 史明 国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室員 (00373514)
奥田 智彦 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室員 (90360817)
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Keywords | 脳虚血 / 耐糖脳 / 小胞体ストレス / ノックアウトマウス / ホモシステイン / Herp / 心血管系疾患 |
Research Abstract |
HERPUD1遺伝子ノックアウトマウスの表現型の解析 心血管系疾患の危険因子である高ホモシステイン血症のメカニズムを解明するため、ホモシステインにより血管内皮細胞で発現が誘導する遺伝子を探索し、HERPUD1を同定した。その遺伝子産物であるHerpは54kDaの小胞体膜に結合した蛋白質であり、小胞体ストレスにより発現誘導がおこる。小胞体ストレスは、小胞体内腔で立体構造不全蛋白質の蓄積がシグナルとなり、ATF6およびIRE1-XBP1経路を経て標的遺伝子の発現へとつながる。小胞体ストレスは、虚血や糖尿病に関連することが明らかとなっている。Herpの生体内の機能を明らかにする目的で、遺伝子ノックアウトマウスを作成した。ホモ欠失マウスは正常に出産し、血液・尿の生化学検査、行動、組織像に明らかな異常は見られなかった。小胞体ストレスに関わる遺伝子の欠失マウスは耐糖異常を示すものがある。また、Herpは膵臓で高発現している。そこで、ノックアウトマウスの耐糖能を検討した。絶食後のマウスにグルコースを腹腔内に投与したところ、ノックアウトマウスは耐糖能が低下することが明らかとなった。インスリンに対する応答は正常であったので、ノックアウトマウスではインスリンの分泌に障害があるのかもしれない。次に、脳虚血モデルを検討した。マウスの両側総頚動脈と左中大脳動脈を閉塞することにより、30分間局所的な虚血負荷を与え、次いで総頚動脈の血流を再開する局所脳虚血モデルでは、ノックアウトマウスでの脳梗塞の体積が大きかった。Herpはアストログリアの虚血で発現誘導がおこるので、ノックアウトマウスではグリア細胞にHerpが発現せず、虚血ストレスに脆弱になったのではないかと考えた。また、NDRG1は特異抗体を作成した。
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Research Products
(5 results)