2003 Fiscal Year Annual Research Report
Na+共役型V-ATPaseのイオン輸送サブユニットの構造と相互作用
Project/Area Number |
15570108
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
柿沼 喜己 愛媛大学, 農学部, 教授 (80134394)
|
Keywords | V-ATPase / ナトリウム / イオン / 腸内連鎖球菌 |
Research Abstract |
腸球菌V-ATPaseのイオン輸送に関わる膜内在性部分V0は、イオン結合部位を有するNtpK回転ローター部分とイオン通路を形成しているNtpIサブユニットから構成されている。NtpKローターの機能に密接に関わるアミノ酸残基を決定することを目標として、抑圧変異による解析を行った。 NtpKにはイオン結合/輸送の中心的な働きを担うアミノ酸残基としてE139の存在を明らかにしており、E139D置換変異体ではその活性がほとんど見られなかった。NtpK E139D変異体に対する抑圧変異として、同じNtpK内に存在するE50KとV138Iの変異を同定した。E50はNtpKが有する4個の膜貫通部分の中で、1番目と2番目の膜貫通部分の間のループ部分に存在する。E50に対して極性の異なるアミノ酸残基の置換変異体を作製し、その酵素的性質を調べた結果、E50そのものがNtpKの機能に必須であることを明らかにした。E139Dに対するE50変異による抑圧は、E50M変異が最も抑圧効果が高かった。V138はE139に隣接するアミノ酸残基であるが、V138もNtpKの働きに欠かすことのできないアミノ酸残基であり、V138F変異によりV-ATPase活性が完全に消失した。E139Dに対する抑圧はV138M変異が最も高かった。以上の結果から、E139に対するE50,V138の役割には、これらアミノ酸残基の側鎖の"かさ高さ"が関係すると考えられた。
|
Research Products
(1 results)