2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15570119
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岸田 昭世 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (50274064)
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Keywords | Wnt / Dv1 / Rho-キナーゼ / 神経突起 |
Research Abstract |
細胞外分泌蛋白質Wnt(ウイント)のシグナルは、細胞内で遺伝子発現を促進するβ-カテニン経路と、PCP(planar cell polarity)経路に分かれて下流に伝えられる。β-カテニン経路では、WntシグナルはDv1、 GSK-3β、Axin、β-catenin、転写因子TCFへと伝えられ標的遺伝子発現を介して細胞の分化や増殖、初期発生時の体軸形成を制御する。PCP経路はDv1、Rhoファミリーを介してRho-キナーゼやJun-キナーゼを活性化して細胞骨格系を制御すると考えられているが、哺乳動物におけるPCP経路の作用は解明されていない部分が多い。本年度は動物細胞のPCP経路におけるDv1の作用に着眼し以下の結果を得た。 1.動物細胞でのWntやDv1によるRho-キナーゼの活性化 COS7細胞にRho-キナーゼとその基質MBS(Myosin-binding subunit of myosin phosphatase)をWnt-1、Wnt-3a、Dv1と共に発現させて、リン酸化MBS抗体を用いてWnt-1や、Wnt-3a、Dv1がRho-キナーゼを活性化することを明らかにした。 2.神経突起伸長に対するWntやDv1の作用 マウス神経芽細胞腫由来N1E-115細胞にDv1を発現させると血清除去処理による神経突起伸長が抑制されたが、Rho-キナーゼ阻害剤によりこの抑制は解除された。ラット褐色細胞腫由来PC12細胞はNGF依存性の神経突起伸長を示すが、Dv1を発現させたり、Wnt-3a処理したPC12細胞は神経突起伸張が抑制された。この抑制は、Rho-キナーゼ阻害剤により解除された。Dv1を発現させたPC12細胞ではRhoAが活性化されることも明らかとなり、WntやDv1のシグナルはRhoとRho-キナーゼを活性化することにより神経突起の伸長を抑制することが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)