2004 Fiscal Year Annual Research Report
感染・炎症応答に関与するガレクチンファミリーの機能及び情報伝達機構の解析
Project/Area Number |
15570120
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
中村 隆範 香川大学, 医学部, 教授 (70183887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 望 香川大学, 医学部, 助手 (10145047)
東海林 博樹 香川大学, 医学部, 助手 (10263873)
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Keywords | ガレクチン / 免疫 / 感染 / galectin-8 / galectin-9 / integrin / 好中球 / Jurkat |
Research Abstract |
ガレクチンファミリーは、βガラクトシドを特異的に認識する動物レクチンである。本研究では、感染応答におけるガレクチンファミリーの役割、中でもタンデムリピート型ガレクチン(galectin-8、9など)を中心に、免疫系細胞の活性化と糖鎖認識を介した情報伝達の分子基盤の解析を行ってきた。まず、ヒト末梢血好中球に対するgalectin-8の機能解析を行い、galectin-8の二つの糖認識ドメイン(CRD)のうち、N-末端側CRDはヒト好中球のproMMP-9と結合し、結合したproMMP-9の活性化が促進されることを見い出した。一方、G末端側CRDは主にintegrinαMと結合して、培養プレートへの細胞接着誘導や活性酸素産生を亢進することを明らにした。さらに、顆粒球以外の免疫系細胞に対する作用を各種培養細胞を使って、galectin-9がJurkat、Molt-4などのT細胞のアポトーシスを、galectin-8はT細胞とともに、B細胞や単球、前赤芽球系細胞などの細胞接着を誘導することも見出した。また、Jurkatをモデルにgalectin-8の細胞接着誘導に関与すると思われる候補分子の精製を試み、Integrin-α4を同定した。このように、ガレクチンの主な標的候補分子は免疫細胞で多く発現しているインテグリンファミリーであると考えられた。今年度はガレクチン-8、-9の2つのCRDを繋ぐリンカー領域(各種プロテアーゼに感受性を有する)を欠くリコンビナントガレクチン(null型ガレクチン)を作成し、それらの構造安定性と生理活性を詳細に検討した。その結果、null型ガレクチンはプロテアーゼに対する耐性と高い生理活性を保持する安定性を有していることが分り、今後のガレクチンの機能解析や治療薬開発への有効利用が期待できることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)