2003 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的手法を用いた、細胞及び動物個体レベルでのスフィンゴ糖脂質の機能解析
Project/Area Number |
15570125
|
Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
市川 進一 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 助教授 (10223083)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平林 義雄 理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 上級研究員 (90106435)
長野 美千代 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 助手 (80350718)
|
Keywords | グルコシルセラミド / セラミド / アポートシス / プロモーター |
Research Abstract |
セラミドのグルコシル化は、アポトーシスを誘導するセカンドメッセンジャーであるセラミドの、細胞外排出機構である可能性が示唆されている。また、この反応を触媒するグルコシルセラミド合成酵素は、最近、ストレスや、ガン細胞の多剤耐性獲得などの局面で、活性が上昇することが明らかになり、低レベルの傷害やストレスを受けた際にアポトーシスを回避するために働いている可能性が考えられるようになった。そこで、これらの発現調節にどのような意味があるのか、また、転写の活性化が実際に起きるのか、もし起きるならばプロモーターのどの領域に担われており、どのような転写因子が関与しているのかなどを細胞レベルで明らかにする目的で以下の実験を行った。 マウスグルコシルセラミド合成酵素遺伝子の、翻訳開始点から、プロモーターの主要部分を含む1kbおよび、2kb上流部分をクローニングし、pGL3-Basic vectorのルシフェラーゼ遺伝子につないでキメラ遺伝子を作製した。これらの遺伝子ネオマイシン耐性遺伝子を持つpSV2neo vectorとNIH/3T3、B16およびF9細胞などの細胞様にco-transfectし、安定発現株を作製した。これらの細胞株に対して、細胞ストレスを与える様々な薬剤で処理したところ、数種類の薬剤で、4倍以上の顕著なプロモーター活性上昇が観察された。一方でDNA傷害を起こす薬剤で、グルコシルセラミド合成酵素の酵素活性の上昇が報告されているアドリアマイシンについては、変化が見られなかった。現在これらの薬剤が標的とする塩基配列と、その機構について検討している。
|