2004 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的手法を用いた、細胞及び動物個体レベルでのスフィンゴ糖脂質の機能解析
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15570125
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Research Institution | Niigata University of Pharmacy and Applied life Sciences |
Principal Investigator |
市川 進一 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 助教授 (10223083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長野 美千代 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 助手 (80350718)
平林 義雄 理化学研究所, 脳科学総合研究センター, ユニットリーダー (90106435)
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Keywords | グルコシルセラミド / セラミド / アポトーシス / プロモーター |
Research Abstract |
1、グルコシルセラミド合成酵素(GlcT-1)プロモーターの解析 近年セラミドが細胞内でシグナル伝達物質として働いている。ある種の細胞では、ストレスやDNA傷害が起きた際に、セラミド濃度が上昇し、アポトーシスを誘導する。一方、GlcT-1はセラミドの不活性化を行い、アポトーシスを抑制する。そこで、本酵素のプロモーター活性をルシフェラーゼ活性として検出できる細胞株を作製した。これらの細胞株を、種々のDNA傷害性薬剤で試験したところ、カンプトテシンとエトポシドの処理によってルシフェラーゼ活性の上昇が見られた。B16細胞では2μMカンプトテシンが2倍、10μMエトポシドが3.2倍の活性化を示した。また、生薬抽出液40種類について評価し、プロモーター活性を抑制する生薬を2種類同定した。 2、遺伝子改変技術を用いたGlcT-1分子の機能解析 GlcT-1は、水溶性のグルコースと脂溶性のセラミドをつなぐ性質を持っている。本酵素は、其質であるセラミドと同様に細胞の膜内に存在している。この酵素は、N-末端のシグナルアンカー配列を通して膜に結合していると考えられている。そこで、N末端の脂溶性アミノ酸部分を欠損させたcDNAを、GlcT-1欠損細胞株に導入し、酵素活性を測定した。その結果、N-末端シグナル配列を持たない酵素は活性を示さず、活性の発現に膜への局在が必要であることが示された。 3、セラミドによって誘導されるアポトーシスの解析 セラミドによって誘導されるアポトーシスを抑制する因子を探索するために発現クローニング法を用いる遺伝子の網羅的探索法を構築した。また、対照として用いた過酸化水素によるアポトーシス誘導で、glutamate-ammonia ligase, translationally controlled tumor protein等がアポトーシスを抑制する遺伝子として検出された。
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